神明宮裏の坂
瓶割(かめわり)坂の途中に神明宮がある。その裏手は一段低くなっているのだが、そこに降りる道が2つある。一つは急な石段で、もう一つはゆるい坂になっている。サカロジーには、石段を弁慶坂、ゆるい坂を小便坂と書かれている。
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弁慶坂

雨宝院前の坂を降りてすぐ左に曲がるとちょっと不思議な道に出る。
角を曲がるといきなり高い石垣になる。覆いかぶさるような、高い石垣である。石垣、崖のある古い道なら珍しいことではない。しかし、ここは市街地の中・・・。 城を思わせるような高い石垣、さすがに驚いてしまう。この場所は、寺町台地の北端。台地は低くなってきているのだが、川の近くとはまだ高さに差がある。橋を渡って上り坂となる北国街道に道路わきの家の高さを合わせたための石垣だろうか? 普通の家の高さを超えてしまうような石垣が続く。石垣の上の家に続く階段などもあったりして面白い。

さて、弁慶坂であるが、この石垣を割り込んで真っ直ぐに登る。
階段の方が緩やかな坂なので、石垣に溝を刻んだような感じになる。幅も1m位はある。そんなに広くはないが、石垣の間にある階段なので堂々とした感じがある。階段を上ると神社の横に出る。通路になってはいるが、建物もあり、狭い。階段があることを知っていないと通り抜けられるとは思えないような狭い通路である。
この階段、多くの人が通るとは思えないが、それでも人が通った感じはある。近所の人、あるいは神社内に駐車場があるのでそれを利用する人が通るのかもしれない。

階段に比べて途中が狭いが、これは狭い敷地内に建物を作っているから、というのがあるようだ。参道を進むと狛犬があるが、これが後から建てた建物の壁に向かっている・・・。 この狛犬、壁をにらみ続けるかとおもうと、ちょっとかわいそう感じもする。
何とかならないものだろうか・・・。


雨宝院前の坂を下りてすぐ左に曲がる。
細い道の向こうに石垣が見えてくる。
高い石垣、長さもあり、城の石垣を思い浮かべる。
石垣をまっすぐに上る階段。
この先は神明宮に通じている。
壁に向かう狛犬。
建物を作ったためなのであるが、壁をにらみ続ける狛犬、ちょっとかわいそうな気が・・・。
弁慶坂の隣に、石垣をジグザグに上る石段がある。これも風情のある坂なのだが、上りきった所が駐車場裏のフェンスになっている。もとは個人の敷地か何かに作られた石段なのだろうか? 通り抜けられない道なので、残念ながら金沢九十九坂の対象にはならない・・・。
同じく近くにある個人住宅への石段。生活感があってとても面白いのだが、これも金沢九十九坂の対象にはならない。

撮影: 下2枚は 2009.2.1


小便坂

残念ながら綺麗な名称ではないが、前述のとおりサカロジーに書かれている名称である。
名称と、神明宮の裏と書かれているのみであるが、神明宮の裏に出る道は弁慶坂とこの道のみなので、多分間違いないだろう。サカロジーでは、”大人も子どももこの坂でよく立小便した”と書かれている。弁慶坂は石段で立小便など不可能だが、ここならできそうだ。とはいえ、神社の境内? であれば罰当たりなことであるが、周囲は家が多くてやりにくいとおもうが、ここは塀もある。立ち小便にはよかったのかもしれない。
なお、言うまでもないことであるが、立小便は犯罪行為である。この名があるから、といって許されることではない。

小便坂は、神社の横を抜けて裏へと続いている。
細長い通路のようになっている。
途中、石段になり、その先は狭くなる。この段の途中までが神社の境内になるようだ。
坂を下りたところから。
手前右は近所の住宅になる。

撮影: 2009.2.1

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