尾山神社前の坂


尾山神社は、城下町としての金沢が発展する前からある。現在の、金沢の街の中央部に位置する。金沢の人も多く参拝するし、ステンドグラスのある神門も有名で観光客も少なくない。この尾山神社には参道があり、短いけれど参道らしい雰囲気が残る道となっている。尾山神社は小立野台地の先端に位置し、参道は海に向いているため、緩やかな坂道となっている。
参道、国道157号線、旧北国街道からは広い道路の中央が歩道となり、左右に松の木が立つ4本だけど並木らしく見えるから不思議である。車道はその外側、そして更に歩道がある。歩行者重視の道である。中央の歩道に立つと、その正面に尾山神社の門が見える。もうちょっとながければ、と思える道である。

尾山神社前の道は、国道157号線の先にも伸びている。門の直前ほど広くはなく、ごく普通の道であるが、少し離れても門を見ながら進むことになる。金沢市文化ホール横は歩道に並木道があり、水の流れもある、明るく木陰が心地よい道となる。その先は下り勾配やや強まり、鞍月用水を渡る。
この道を用水側から進むと、神社の門を正面に見ることで、下るときと雰囲気がまた違うように感じる。用水を渡る橋は狭く、その先の上り坂も道幅も狭い。ごく普通の道なのだが、このあたりから神社に向かう雰囲気を感じる。金沢市文化ホール横は並木もあり、道幅も広いのだが、パーキングメータが設置してあるので車が止まっていて、道のよさが薄れてしまうようで残念である。その先はホテルの横を通って国道157号線を渡る。ここからが参道らしい道、である。
ここから先、門へは広い石段を上る。サカロジーではこの石段を坂道として紹介されていて、戦後間もない頃に米軍のジープがこの石段を登るのを見たそうだ。石段、坂道と見た場合、幅も広く、また段が比較的低くて勾配も階段としては緩い。だから、ジープが上ることは十分可能だろう。石段の向かって左には禁止事項として、車馬を乗り入れること、と書かれている。さすがに今の世に石段を車で上る人はいないだろう。でも、他の神社や寺院などでも書かれているこの文字、尾山神社だけは妙に気になる。

坂の登り口。
横断歩道の部分が鞍月用水にかかる橋になっている。
坂は用水側は急な登りになるが尾山神社側は緩い。
金沢市文化ホール横の歩道。
並木になっていて夏でも心地よい。
国道157号線あたりから尾山神社を見る。
道の中央が歩道になっている。

写真撮影: 2009年8月

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