太玄女 (《神仙伝》より) |
太玄女は、姓は
顓、名は和といって、幼少のころに父を喪った。ある人が母子の人相をみて、二人とも長生きしないといったので、悲観して
気に病んでいた。つねづね言っていたのは、「人間として世に生きるのに、一度死ねぱ二度とは生きられない。まして寿命の
限りも近いと聞いては、道を修めるよりほかに延命の法はない」とて、ついに旅に出て良師を訪ね、心を浄め道を求めた。仙
人王子喬[一説には玉子]の術を会得し、長年これを実行するうちに、ついに水に入っても濡れず、真冬の雪の日でも、氷の
上に単衣でいて、それで顔色も変わらず、身体も温かく、それを幾日でも続けることができるようになった。 |