四符篇訳注

青色の語をクリックすると、 ここに注釈が表示されます。


1
長寿な 北方に浮かぶ星々は北極星をはじめとして長時間空に留まること をいっている。


2
短命な
南方の空に浮かぶ星々が短時間で移り変わることをいっている。


3

ここでは精米、白米のこと。


4

死者の亡霊のこと。あるいは、神秘的な力を持つ目に見えない陰 の霊のこと。


5

ここでは神秘的な力のこと。


6

深遠な道理。目に見えない原理。


7

本来は、きれいについて白くした米のことで、そこから、汚れや 混じりけを取り去って残ったエッセンスのことを指すようになった。中国医学では、精神作用を説明するのに用いられる語の一つ であり、生命を発現させているもののことを指す。《黄帝内経霊枢・本神篇》に、「精が傷つくと、骨が弱々しくなって萎える」 といった記述がある。五行では水に属する。腎は精を蔵し、精は志を宿すとされる。


8

魄は、肉体を主宰する陰気で、人が死ぬと地上にとどまるものと 考えられていた。
 《黄帝内経霊枢・本神篇》によれば、精と並んで出入りするものを魄と言う。「魄が傷つくと、気が狂い、狂うと傍若無人にふ るまうようになる」といった記述がある。五行では金に属し、五臓の肺に蔵される。


9

もともとは、雷神・天神の意を表したが、転じて、一般的な神、 ひいて人間わざを超えた働きの意を表すようになった。 《黄帝内経霊枢・本神篇》では、二つの精が結合したものとされ、「神 が傷つくと、恐怖を自制できなくなる」といった記述がある。五行では火に属し、五臓の心に蔵される。


10

魂は、人間の精神を主宰する陽の生気で、人が死ぬと天に昇るも のと考えられていた。
 《黄帝内経霊枢・本神篇》によれば、神に従って往来するものを魂と言う。「魂が傷つくと、身の程がわからなくなって聡明さ がなくなり、聡明さがなくなると言行が異常になる」といった記述がある。 五行では木に属し、五臓の肝に蔵される。


11
造化
造物主のつくった宇宙。


12

亡霊。死人の幽霊。


13

雲が巻いて天に昇る形をかたどった象形文字であり、ここでは天 に昇る意味と思われる。


14

月が光るさまをかたどった象形文字であるが、したたり落ちる滴 の形に似ていて、ここでは地に降りる意味と思われる。


15

博愛。慈愛。自分と同じ仲間としてすべての人に接する心。


16

道理。条理。正義。物事の理にかなったこと。人間の行うべきす じみち。社会的によいと公認されているすじ道。


17

社会の秩序を保つための生活規範の総称。儀式・作法・制度・文 物などを含む。


18

物事を理解し、是非・善悪を弁別する心の作用。思慮によって物 を処理すること。


19

欺かないこと。言明や約束をどこまでも通すこと。


20
羽虫
鳥などのこと。


21
毛虫
獣などのこと。


22

ここでは神霊のこと。


23

他と区別してそれと見わけること。識別すること。


24
五事
見る・聞く・食べる・呼吸する・思考するの五つのこと。


25
五蟲
動物の総称。羽虫(鳥など)・毛虫(獣など)・甲虫(亀な ど)・鱗虫(魚など)・裸虫(人間)のこと。


26
兆亀
焼いた亀の甲に現れる割れ目の形から占うこと。


27
数蓍
めどぎ(占いの道具でおもに蓍萩の茎を用いる)で占うこと。


28

視覚でとらえる客観の世界のこと。視覚の対象。


29

心中でおもいめぐらした考え。心中の思いのこと。
黄帝内経霊枢・本神篇』によれば、心にあるおもいのことであり、「意が傷つ くと、煩悶して乱れ、手足が挙がらなくなる」といった記述がある。五行では土に属し、五臓の脾に蔵される。


30

心が物に感じて動く働きのこと。


31
太清
神仙が住むとされる世界。


32
八荒
八極ともいう。宇宙の極めて遠いところ。


33
漱水
津液を飲み込む養生法。


34
摩火
手で臍の周りをマッサージして熱を発生させる養生法。


35
クソムシ
原文:蜣蜋。成虫・幼虫が動物の糞を食うコガネムシ科の甲虫の 一群。ダイコクコガネ・マグソコガネ・タマオシコガネ(スカラベ)の類。