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App Inventor2入門



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本書の目次

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本書の内容

 App Inventor2
というプログラミング言語は,Scratchのスマートフォン版と言えます。したがって,Scratchでプログラム作成の経験者であれば,ブロックをつなぐだけでスマートフォンアプリができるので,フィーリングでできると思います。

 一般にAndroidアプリ開発本は,開発言語にJava,開発ツールにAndroid Studioを使用しています。本のタイトルには,「やさしい」とか「かんたん」とありますが,スマートフォンに「Hello world」をたった1行表示するだけのアプリ作成でも,パソコンの設定やこのプログラム説明だけで,1冊の本の半分近くを占めているほど,複雑なものでした。

その内容は,次のようになります。

1 Androidプロジェクトを作成します。

2 開発ツールAndroid StudioのエディタにJavaコードを数十行入力します。

3 アプリ作成・実行します。

なかでも特に難しいところは,2番目のJavaコードを数十行入力するところです。点とコンマの違いやセミコロンを忘れただけで「エラー」が出て次へ進めません。

これに対して,App Inventor2Java言語などの文法を覚える必要はないので,スペルの間違いのエラーがありません。

アルゴリズム(処理手順)さえ分かれば,ブロックを積み上げるだけでスマートフォンアプリができるので,はじめて取り組もうとする人にApp Inventor2は最適な言語と言えます。

FORTRANCOBOLBASIC言語からCJava言語,Visual Bacic,VBA,Visual C++,Visual C#とコンピュータ言語が発展してきましたが,究極的に容易で効率がよく,最も生産性が高い言語はコーディングをしなくてもよいApp Inventor2と思います。

 文部科学省ではプログラミング教育を2020年から小学校で必修化の方針が政府から出されましたが,主な狙いは論理的思考力や創造性・問題解決能力等の育成です。この方針は,大変歓迎できるのですが,有識者会議の問題点の一つに挙げられたのが,

『小学校で効果的なプログラミング教育を実施するために必要な条件には、「ICT環境の整備」「教材の開発」「教員の養成・研修」「指導体制の充実」「社会との連携・協働」』です。

 ぜひここで,本書を活用していただき,上記の「教材開発」「教員の養成・研修」の一助になれば幸いです。

 小学校の効果的なプログラミング言語に,産業競争力会議で出されたものとしてビジュアルプログラミング言語Scratchがありますが,App Inventor2はそのScratchとほぼ同じ仕様です。App Inventor2Scratchの違いは,作成したアプリがスマートフォンで動作するか,パソコン上で動作するかです。

 両方の言語において共通することは,アルゴリズムができれば,それに従ってブロックを積み上げればプログラムが動作します。アルゴリズムというと難しく思われますが,要はシナリオを作ればいいだけです。

 たとえば,本書の中で「もぐらたたきふーちゃんはだめよ」というゲームについていえば,次のようなシナリオになります。

 『もぐらはスマートフォンの画面にランダムな位置に0.5秒おきに現れます。

ユーザはモグラに触れると,「あたり」としゃべって10点加点されます。

  子猫のふーちゃんもスマートフォンの画面にランダムな位置に0.5秒おきに現れます。

  子猫のふーちゃんにユーザがタッチすると「だめ」とスマートフォンがしゃべって点数は,10点減点されます。』

 このようなシナリオができれば,あとはそのシナリオに合うブロックをつなげていけばプログラムが完成します。本書は,その手順をステップごとに丁寧に解説しています。

 App Inventor2は,ブロックを積み上げるだけで低学年でも容易にプログラミングができる「Scratch」言語とほぼ同じようなものです。したがって,「Scratch」言語でのプログラミング経験のある方は,まったく抵抗なくすぐにプログラミングができます。

 インタプリタ言語なので,作成途中でも実行して,プログラム動作が確認できます。

 また,App Inventor2は,他のプログラム言語と同じ機能(順次構造,分岐構造,繰り返し構造)を持っているので,幅広い分野でプログラムができます。中でも,Androidスマートフォンでのゲーム作成には特に優れていると思います。

 本書は,目次を見ていただければ分かると思いますが,初歩の方のためにステップごとに項目を設けて,機能を少しずつアップしていく形態で,プログラムのブロック図と作成手順を詳細に書きました。

 本書通りに作成すれば,おもしろいゲームを楽しみながら作成できて,App Inventor2プログラムがマスターできると思います。

 本書は「App Inventor2入門 ブロックをつないで楽しんで作るスマートフォンアプリ制作」本を改訂したものです。改定したところは,モグラたたきゲームでモグラや猫のふーちゃんが0.5秒おきに動くゲームはユーザにとって難しいので「初級」,「中級」,「上級」レベルを設定し,初級では1秒おきに,中級では0.5秒おきに,上級では0.33秒おきにモグラや猫のふーちゃんが画面上を移動するようにしたことです。また画像が多い本書の画像と文字の配置等がよくなるようにmobiファイルで作成しました。さらに,校閲して理解しやすいように説明順序を変更し,新しい機種のスマートフォンでの実行例を入れました。

 本書を作成している段階で特に気付いたことを挙げます。

コンピュータプログラムで最も基本的な,スマートフォンからデータを入力して,その値を変数に入れて計算等の処理をして出力(表示する)例題プログラムが他の本やインターネットで検索してもありませんでした。つまり,TextBoxに関する説明はプロパティの属性をnumbersonlyにするなど懇切丁寧な解説がありますが,TextBoxに入力した値を変数に代入するという最も基本的な例題がなくて,ゲームのキャラクターを動かす方法などがほとんどを占めていました。TextBoxを使用した例がないので,TextBoxを使用するプログラムを試行錯誤で作成してみて多くのエラーを出しました。そうして,TextBoxを使用した例題2例と演習問題を1問追加しました。

プログラム言語のたくさんの使用例を挙げた本がプログラミングをマスターするのに最も役に立つということが身をもって分かりました。

APP Inventor2プログラム作品がどんなものか,私のホームページKusano’s Page

URLhttp://www2s.biglobe.ne.jp/~y-kusano/

に紹介している「モグラたたき・ふーちゃんはだめよ」,「eLearningたしざん練習」,「かんたん電卓」ゲーム(無料)をGoogle Play Storeからスマートフォンにインストールして実行して楽しんでみてください。興味がわくと思います。ぜひ,ご活用ください。

APP Inventor2プログラムをいつはじめますか?

林先生の言葉のとおり「今でしょ!」


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