「レールスター」快走! 試乗会では子供から大人まで大勢の人が楽しんでいた |
鶴見線営業所が発足して今年で10周年ということで、2000年6月10日 弁天橋の営業所にて記念イベントが開催されました。
当日は車両基地公開のほか、南武浜川崎支線用101系による記念電車の運行(鶴見-海芝浦-弁天橋)もありました。
なお、鶴見線営業所とはもと弁天橋電車区(南テシ→東テシ)で、現在鶴見線の車両は戸籍上では南武線・中原電車区(横ナハ)に所属しています。
11時40分すぎに会場に着いた。記念電車の101系と鶴見線103系、そして目玉の一つであるEF5861お召し機が並んでいる。
鶴見線沿線は工場・工業地帯であり、ふだんは通勤電車とタンク車などの専用貨物列車しか来ないはずである。急行旅客用機が入線するのは極めて珍しいのではなかろうか。
一方の101系、南武線の電車ではあるが、現在は弁天橋に常駐している。朝ラッシュの終わった後に、浜川崎-弁天橋間で回送列車の姿が見られる。
101系。ヘッドマークは「10」を中心に描いたもの(鶴見寄り・左)とツルミの「鶴」を中心に描いたもの(浅野寄り)が掲げられた。方向幕はないので、行先表示器には紙で「弁天橋」と貼られている。
台車、主抵抗器を覗いてみる。「生きた」(電気が通じた)状態で、ブロワーから抵抗器を通り、生暖かい風が送られてくる。
会場点景。
EF5861の前にはカメラの列が引きも切らない。「お召し」の仕事は少なくなったが、きれいに手入れされており貫禄は充分。ATS等のプレートが金色に輝いていたのが印象的だった。
鶴見線とはほとんど関係がないが、ヘッドマークがたくさん用意された。<ゆうづる><出羽><鳥海>そして単独の<さくら><はやぶさ>が懐かしい。
一方、EF5861には<踊り子>のマークが掲げられた。14系や「サロンエクスプレス東京」(現「ゆとり」)を率いて伊豆半島に乗り入れ、ファンを沸かせたのも今は思い出話である。
「キリンが首を伸ばしております」。軌道に乗り入れ、高所での作業を行うクレーン車である。人知れず働く鉄道の裏方車両を目の当たりにすることができるのも、このようなイベントならでは。
ほかにもウニモグと呼ばれる陸軌両用車、マルタイ(マルチプルタイタンパー=道床突き固めを行う)、架線・電気関係の修理を行う車などが集まった。
イベントの目玉のもう一つは「レールスター試乗会」。ここで言うレールスターとは……線路保守用車だった。動力つきのトロッコと言えようか。67kgと超軽量だが走ると結構速い。
試乗会には大勢の人が並び、2台のレールスターは閉場までひたすら50mの往復をこなしていた。
鉄道に限らず、工場には必ずといっていいほどある「安全の碑」。ここの碑には「安全第一」と「1:29:300」の由来についても書かれてある。
「安全第一」は、米国U.S.スチール社のゲーリ社長の採用した管理方法。職場での死傷者続発に、それまでの「品質第一 生産第二 安全第三」の原則を改め、「安全第一」に掲げたところ、予想に反して品質生産の向上をもたらした。
「1:29:300」は、米国の技師ハインリヒが発表したもの。1つの休業傷害の陰には、29の軽傷事故と300のケガに至らない事故の原因が背景にある。無事故で終わったというのは偶然に過ぎず、それらの事故の卵をすべて取り除かなければ、1つの重傷29の軽傷が300の重傷になる危険性を指摘している。(文章要約)
会場全景。お手洗いと案内された営業所の2Fから。アクセスの良好な場所とは言えないのだが、抽選会に使用された配布パンフレットのナンバーからすると、のべ2000人以上の入場者数があったようだ。