「松尾城」
真鍋吉元の墓碑銘
真鍋大炊介の墓の隣に真鍋吉元の墓碑がある。吉元は真鍋大炊介の子か。
墓碑銘
君姓橘氏真鍋諱吉元其先出自敏達天皇五世孫井出左大臣橘諸兄公君
考曰大炊助通周豫州宇摩郡中曽根松尾城主也天正之亂與長曾我部元
親戰死時君僅七歳世臣信種者奉之逃於三島是以得存云君天資豪毅及
長威風益凛烈乎甞語家人曰往昔逮敵兵既薄嚴君授予于一短刀且求曰
命窮矣我頭與城倶碎耳汝雖藐諸亦毛属裏離若不幸陷于賊窟義不當■
死予涕泣受之距今數十年刻骨銘肝不能忘也言畢慍悶溢於而背君■■
欲興父祖之武威撃劍騁馬莫不該習焉然而海内畫一仁風及于禽獸■■
可以乘矣因之屈然終身於畉畆之間也元和之際君為邑長有田七頃■■
于官闢荒原許多而附益之以建孫謀慶安三庚寅歳秋七月十一日■■■
秋七十有三謚心蓮院宗善居士遺言擇邑之東南地■焉有庶子三■■■
吉長嗣家次曰吉茂其次曰吉親皆共分居于邑中瓜迭綿綿到今不■■■
肖吉恕乃承君宗者也故恐祖徳湮滅因綴其梗概謹誌焉銘曰
一興一癈 天命有定 彼其君子 克安天命
相攸築宅 創業日盛 積善餘慶 永及後裔
文政四年辛巳夏五月 九世孫吉恕誌 子吉鱸建
石碑下部の剥離欠落と難読文字がかなりある(■部)。また、推定あるいは同義語で代用したものもあり。
畉はインターネットで表示できない文字であるが、正しくは「田へんに犬」、「畉畆」で「溝と畔、たんぼ」
迭は「しんにゅうの代わりに瓜」、「瓜迭綿々」で「子孫が長く続くこと」
綴は「糸へんの代わりに手へん」、「因綴其梗概」で「よってその梗概をとり(ひろいとり)」
石碑の全体写真を添付します。サイズが大きい(200kB)ので読み込むのに時間がかかると思いますが、関心のおありの方はご覧ください。
