大西備中守
大西神社
(川之江市金田町金川)
大西神社

「伊豫温故録」(M27, 宮脇通赫原著)によると、

大西神社
 金川村大津山に在り大西備中守元武及ひ其の子小次郎武氏の靈を祭る 元武は天正二年阿州白地の城 を引き拂ひ轟城に居住す 其の後本郡松尾城主眞鍋大隅守が元親に通じ其の兵を引き入るゝを怒り數戦 の後ち元武大に敗し轟城を陥没せられ且身に創を被り脱して山川國秀の家に匿る 川上安勝の舊臣二宮 官平内田左馬丞和田新九郎太田權六大西に恨みあるものを語合ひ三百餘人國秀か宅を圍み撃つ 元武 逃れさるを知り遂に自殺せり 其の後内田獵に行き日暮に及んて歸る 向ふより備中守父子及ひ其の 家來等一同馬に乘り來る 内田見るより其の儘絶倒せり 漸くにして家に歸りしか大熱を發し生氣を失 ひ合戦の時の聲をなし起上がり起上がりして終に狂ひ死せり 二宮和田太田の三人も其の後追々内田と同し 煩ひにて死せり 其の後も大西父子の妖怪常にありて里俗大に恐怖せり 元祿年中金川の住人南三郎右 衛門義久といふもの此社を建て神に祭りけれは妖怪は止みたり 諸人の尊敬日に盛んにして西條城主 松平氏代々一代毎に此地に來駕直拜ありて甚た崇敬を盡せり


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