SOTEC製 Windows XP のキーボードのいくつかの文字が打てなくなった。

2003年頃に購入し、もう10年以上経ったSOTEC製 Windows XP が次々と不具合を起こしている。

USBポートの1つは購入後2年ぐらいで動かなくなった。LANポートは2010年頃に動かなくなり、BUFFALO製のLANアダプターをカードポートに差し込んで使っている。

その後、電源スイッチが次第に陥没して、何度も押さないと入らなくなった。

2014年になり、キーボードの「 9, DEL, BS, → 」などが打てなくなった。続いてスピーカーから音がでなくなった。

キーボードとスピーカは内部の小さなコネクタが10年も経って、酸化などにより接触不良になっているのではなかろうか。
もしそうなら、パソコンのカバーを開けて、コネクタを見つけだして、2〜3度抜き差しすれば簡単に直るに違いない。
という淡い期待のもと、分解してみたので、ご紹介する。

1.裏返す


2.まずバッテリパックを外す。裏のねじをすべて外す。長いビスと短いビスが1本ずつある。他は同じ長さ。

3.バッテリーパックのあった場所のねじを外す。表カバー(液晶パネル)のヒンジの後ろのネジ2ヶ所x左右とも外す。
 

4.裏の小カバー3枚とも外す。

5.HDDを右へ引き抜く。(上の写真の赤矢印の方向)

6.HDDの入っていた場所にあるネジを外す。
 

7.放熱フィンを押さえているバネ付きネジ3本をゆるめる。(元に戻すときは3本を均等締め)

8.放熱フィンの下に2ヶ所、液晶パネルへの配線を収納している溝の中に2ヶ所、ネジを外す。
    それにしてもずいぶんたくさんのネジを外さないとカバーが開かない。

9.プラスチックのケースを開く。これだけネジを外したのに十分には開かない(液晶パネルへのヒンジでこじているようだ)。
 

・フラットケーブルの端末をそのまま直接基板のコネクタに差し込むだけの簡単な構造。
・基板のコネクタ側に小さなケーブル押さえ板があり、これを引き出してケーブルを差し込み、押さえ板を戻す。
・フラットケーブルをコネクタから抜き差ししたが最初はうまく入らなかったらしく、キーボードも内蔵マウスも全く反応しなくなった。
・キーボードのフラットケーブルを奥まで差し込みすぎるとつながらないようだ。しかし特定キーが動かないのは直らない。
・酸化皮膜ができているのかと思い、フラットケーブルの端末をマイナスドライバーの先でこすってみたけど、直らない。
・スピーカーの方は液晶パネルへ行っているケーブルを抜き差ししたら、いっぺんで直った。
・電源スイッチは、スイッチキャップの片側だけ裏側でプラスチック成型の突起で支える構造になっており、スイッチカバーを押すと支えられていない側が押し下げられ、内蔵の電源スイッチのレバーを押す構造になっている。ところがプラスチック成型の小さな突起が割れており、支点がなくなったため、グラグラしてスイッチのレバーが押しにくくなっていた。小突起を接着剤でくっつけたら、電源スイッチはすぐ押せるようになった。

キーボードはコネクタの接触不良が原因ではないようだ。キーボード内のプリント配線がどこかで1本切れているため、それにつながるキーがすべて入力できなくなっているようだ。

なんとかキーボードの中を見れないかと思って、構造を調べていたら、キーボードは表側からパソコンの枠にはめ込まれていた。
キーボードの枠の長手方向に数カ所の出っ張りがあって、そこに上からはめ込むことで取れなくしてある。小さなマイナスドライバなどでキーボードを手前に引き寄せながらこじあげると、ロック用の突起から外れて、キーボードを取り出せる。

10. キーボードの分解
 

フラットケーブルをコネクタから抜いた状態

キーボードは薄いプラスチックフィルムの中にプリント配線が封じ込まれたシートが上下2枚重ね合わされていて、 キーのところだけプラスチックフィルムがなくて黒い配線パターンがむきだしになっていて、キーを押すと 上下のパターンがくっつく仕組みになっている。キーを押してないときはフィルムのわずかの厚さで上下が離れているだけらしい。(ということはボードの上からコーヒーなどをこぼしたらもう修理不能になる。)

上下のシートの上に黒いゴムシートがあり、キーの場所だけゴムが突起していて、これが押したキーが戻るためのバネの役目をしている。
キーキャップを取り付けるためのパンタグラフ状の白いプラスチック枠が各キーキャップの下に取り付けられている。
プリント配線はプラスチックシートに封じ込まれているので腐食などしそうにないと思われるが、端っこの配線パターンに少し薄汚れたように変色しているところが見つかったので、その両側のフィルムをカッターで少し剥いで、テスターで導通を調べたら、間違いなく変色している箇所だけ導通がない。
不導通箇所を電線でジャンパーすれば直せると思い、はんだごてを当てたら、プラスチックフィルムごと配線パターンも溶けてしまう。

なんどもコネクタを抜き差ししたせいか、キーを1つ押すと2つも3つも文字が入力されるようになってしまった。

不動作のキーの配線パターンから見てもう1箇所断線箇所があるはずであり、恐らくボードの中程にあると思われ、端っこでも半田修理出来ないのに、中の方までは無理と諦め、外付けキーボードを捜すことにした。

外付けキーボードを捜しに電気屋さんへいったら、たくさんの種類が置いてあり、店員さんからXPにあうキーボードを教えてもらって、購入した。なんと千円チョットだった。苦労して修理する必要がない。道理でネット検索してもキーボードの修理記事がなく、冷たく「キーボードの交換」と書いてあるわけだ。

内蔵キーボードを接続したまま、USBポートに外付けキーボードを接続すると、どうやら内蔵キーボードと喧嘩しているらしく、正常に入力できない。
原因は、内蔵ボードではいっぺんに2つも3つもの文字が入力されるようになったことから、端子ピッチの狭いケーブル端末で隣の端子とくっついて、同時に複数の文字が入力されるものと仮定。 (フラットケーブル端末にコネクタの端子の食い込み跡が残っているが、パターンの中央ではなく、端っこの方に当たっている痕跡がある。)
そこで配線パターンの中央付近にコネクタの刃が来るように微妙に寄せて、差し込んだら、今回の分解前の状態に戻った。

ノートパソコンなのでキーボードの外付けは何かと不便、入力できないキーは少数なので、必要ない限り内蔵キーボードを使い、どうしても入力が必要なとき外付けキーボードを接続して併用出来るようになった。



2015.11.26
ついにSotec XPが帰らぬPCとなってしまいました。
思えば12年前、南方の国へ赴任することになり、会社にPCを置いて帰ると盗まれるから、個人で購入して会社から帰るときは毎日持ち帰るように、といわれて、なるべく安価なものを買い求めたものである。
以来2年余り熱帯の過酷な環境で熱と振動に耐え、よく動いてきた。予定より早く2年と少しで帰国できたが、その後もXPでなければ動かないアプリにWindows VistaでもWindows 8でも代替できない使い勝手のよいプログラムがいくつか(PhotoDelux, WS-FTP、ホームページ作りはこの2つがないと非常に不便) あり、ずーっと愛用してきた。
10日ぐらい前から、エクスプローラ操作中に「項目の左のプラス記号(+)をクリックすると、下の階層の項目が表示されます。」というポップアップウィンドーが出るようになり、これが出ると、他のアプリをクリックするたびに動かなくなり、すぐ全体がフリーズして、強制電源オフするしかなくなる。
機嫌よく立ち上がったときにすかさず外付けHDDに数時間x2日がかりでバックアップした。使用前に数十分コンセントをつないで、へたりかけた内蔵バッテリを充電しておくとフリーズしないような気がして使い続けたら、昨夜突如まったく電源が入らなくなった。今朝から分解したら、4端子ある電源スイッチにテスターを当てても導通がないような気がするが、狭いのでよくわからない。
それよりプラスチックケースを開こうとするたびに、ポロポロとプラスチックが割れて、破片が飛び散る。とても修復する気分ではない。そそくさと元通り組み立てようとしてもプラスチックケースがいびつに変形してしまい、ぴったり納まらない。
なんとか形だけ戻して、内蔵バッテリをはずしたまま電源を入れても、バッテリを組み込んで電源を入れても、全く入らないのを確認して、修理断念した。MOS用のボタン電池は3V定格に対し、3.18Vあり、まったく消耗していなかった。




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