11月祭皿使い捨て禁止プロジェクト報告書 【1】 プロジェクト開始の背景  京都大学では、毎年11月に学園祭があります。もともと人数の多い大学ですので、 あちこちのサークルやクラスで教室展示、講演会、模擬店など競って行い、この期間 中だけは大学中が完全に学生に制圧され、信じられないほど賑やかになります。  賑やかであることには、文句はないのですが、余りに多くの模擬店で食べ物を販売 しているため、非常にたくさんのごみが出されてしまうという状況になっています。 キャンパス内に並んだ模擬店の数はおよそ100。そのほとんどが、使い捨ての皿を 使って食べ物を販売している訳ですから、ごみも多く出るはずです。3年前、私たち が調査したところでは、前夜祭のわずか数時間の間に361袋ものごみ袋(あの大き な袋です)が出されていました。山と積み上げてみると人の背の高さを越えてしまう くらいの小山が出来上がります。NF事務局という団体がこれらのごみ処理に当たっ ているのですが、一晩燃やしつづけて、結局朝までかかってしまったという話です。 そのほとんどは、模擬店で出される使い捨ての皿や箸などです。  毎年、環境問題を扱うサークルによって指摘はされてきたのですが、「使い捨ての 皿」を使わないと模擬店はやっていけないという現実の問題が出されて、どうにも動 けなかったのが実情です。NFは学生が作り上げる祭りであるため、基本的方針を決 める学生による会議なども開かれています。そこで「使い捨ての皿は使わないように」 と決議してしまえば全学的に実施する必要がでてくるという、非常に強い権限を任さ れている会議ですが、模擬店に参加する学生の意図を汲むことも当然であるため、や すやすと決議はなされませんでした。  使い捨ての皿が非常に普及してしまい、洗って使うよりはるかに便利であるとされ てしまっている以上、洗える皿を使ってもらえるようなシステムをこちらが提案しな い限り、模擬店の人たちは見向きもしてくれないでしょう。皿をどう確保するのか、 洗い場をどうするのか、それらのお金はだれが出すのか、そしてそもそも洗い回した 方が環境にいいのかどうか。システムを作るのにはすべて考えていく必要があり、意 外と大変であることに気がつきました。  忘れもしない1991年7月。ちょっとした無謀な企画書から、ながいながいこの 企画が始まりした。  ここでは、システムについての議論が中心に行われた初年度の話を中心に進めてい きたいと思います。 【2】京都大学の11月祭の実情 2.1 組織  すべての11月祭における方針の決定機関として、「11月祭全学実行委員会」が 存在します。月に1度くらい開かれ、すべての11月祭参加者が出席可能ですが、大 抵は学部の「11月祭中間実行委員会」の代表者が出席するのみです。工学部の場合 は、例年環境問題を扱う団体がその実行委員会を兼ねてきましたので、その点でアプ ローチを行うことが出来ました。  そのほか、模擬店の代表者のみが集まり、模擬店の運営についての説明や会議が行 われるのが、「模擬店単位実行委員会」です。直接模擬店の代表者に説明を行うのは、 この場を使います。  そして、それらの会議や、11月祭自体の運営を行っているのが、「11月祭事務 局」です。申し入れなどは、ここを通して行うこともできます。 2.2 模擬店で扱っている商品  1991年の11月際において調査を行った結果です。全部で168店舗模擬店が ありますが、すべてが食品を売っている訳ではなく、食品を提供している団体となる と約120店となります。  さらにこの内には、フランクフルトのように使い捨ての皿を使わない団体もありま す。  焼きそば    11  タコ焼き    10  お好み焼き    9  たい焼き     7  焼きうどん    7  お餅       6 そのほか   5 おでん クレープ フランクフルト 焼き鳥  3 焼きイモ ホットドッグ イカ焼き  2 チョコバナナ 肉まん ぜんざい 焼きおにぎり お茶漬け     じゃがバター 豚汁 串カツ    以下略  1992年の11月祭において、皿を持ち込んだお客さんに「10円負けてもらう」 よう協力をお願いしたところ、73団体から協力が得られました。実際、この時には 拒否される団体はほとんどありませんでしたので、使い捨ての皿を扱っている団体は およそ80と見てよいでしょう。 2.3 洗い場について  大学内の施設については、11月祭期間中は、NF事務局が管理しています。しか し、大学から借り受けた洗い場はわずか3ヶ所。そのうち大部分は、蛇口がついてい ないなどのひどい状況で、模擬店の担当者は勝手に工学部の建物の中に入ったり、あ ちこちの便所などで洗っているのが実情です。  使い捨ての皿を使っている状況でも、洗い場が不足しているのですから、洗える皿 を使うにあたっては洗い場の確保が、必須条件となります。 2.4 生協の関連について  使い捨ての皿の注文を一括して受けているのが生協です。便宜を図っているのでし ょうが、結果として使い捨ての皿を売ることによって設けている組織です。  その点で、販売者責任を追求することが可能であると考えています。 【3】 活動メンバーについて  最初の年は、企画提案は、牛乳パック回収実行連絡会(現:リサイクルネットワー ク4Rの会 リサイクル社会をめざす部会)のメンバーが中心となって行い、当時の NF実行委員長が呼び掛け、京大内の環境サークルが結集した団体である「環境にや さしい11月祭連絡会」の協力を得て行いました。  2年目(1992年)は、リサイクル社会をめざす会のみの活動となりました。  実際行動したメンバーは以下のとおりです。    工学部 2〜3 鈴木    医学部 2   江崎    −−− 2   篠田    経済学部 4  伊東    医学部 2   安井  多いようにみえますが、実際の所、初年度が3人、2年度が3人です。 【4】 初期の計画(1991年7月から9月)  最初の計画は、往々にして無謀なものです。しかし、問題の原点を捉えてそれを最 終的に解決できる理想像といったものが提案されることが多いため、あながち軽くあ しらうことも出来ません。 「初心忘るベからず」とはよく言ったものです。行動す る段階になると、現実問題からあちこち妥協をしてしか行動できませんが、この最初 の計画はその最終目標としていまでも活動の拠り所となっています。  11月祭で使う皿については、全て洗い回しできる皿に変え、使い捨ての皿を禁止 する事を前提に話を進めていきました。もちろん、発泡スチロール製のトレーですか ら、洗って回収し、業者に引き取ってもらうこともできますが、いずれにせよ洗う手 間が必要であるため、洗い回すことのみを提案しました。  使い捨て皿はそのまま言葉として使えるのですが、それに対して洗い回しできる皿 を何と言ったらいいのかずっと定まった言い方はありませんでした。対外的にはいい イメージを与えるために「リサイクル皿」などと宣伝していますが、考えてみればこ ちらの皿の方が食堂や家庭で使われているように「普通の皿」であり、リサイクル皿 と言うのに罪悪感を感じたものです。  むしろおかしいのは「お祭り」の場で、奇妙な皿を使っていることであって、それ を当然の事として受け止めてしまっている私たちの文化のほうが問題であるのです。 4.1 基本計画  皿は、私たちのサークルで用意する。  それを模擬店の人に貸し出し、洗って使ってもらう。  NFが終わった時点で、私たちに返してもらう。  以上の事を基本とします。ただし、全模擬店が洗うとなると、非常にたくさんの洗 い場が必要になるでしょうから、これについては生協の自動食器洗い機を借りて対応 することにしました。(−>洗い場について)  皿を用意するにあたっては、取り合えず自分たちで全部購入し、貸し出しに当たっ て資金を回収することにしました。生協の食器洗い機を借りるとすると、そこにもお 金がかかりますので、資金の問題は大きな事です。(−>お金について) 4.2 リサイクル皿の環境影響について  洗い回しに変えるに当たっては、それが本当に環境にいいことになるのかはっきり させなくてはいけないと考えました。使い捨ての皿を止める意味としては、単に環境 影響だけではなく使い捨て文化の考え直しなど付随する効果が期待されますが、全部 の使い捨て皿を排除することを提案とする以上、皆に納得させるためには本当に環境 にいいことを証明する必要があります。  前提として、人ごみの中で使用されるために、割れたら危険という事で陶器の皿は 使えません。選択肢としてはプラスチック製の皿か金属製となるでしょうが、扱いや すさからすればプラスチックの皿となるでしょう。以後の話でも、リサイクル皿と言 えば、プラスチック製のものとして話を進めていきます。  リサイクルの問題となるパラメーターは、どれだけ繰り返し使えるかです。もとも と1枚の皿にしてみれば、使い捨ての皿の方がはるかに軽く出来ていますので、かな り多く回して使わないと「使い捨ての方がよかった」ともなりかねません。  普通の食堂で使い捨ての皿を使っていないのは、毎日お店を開いているために回転 がいい事が挙げられます。それに比べて、NFではわずか4日間だけであり、使い回 す回数にも自ずと限界が見えてきます。せいぜい1日に2回転から3回転できればい いほうでしょう。すると1年のNFだけでは10回程度しか回らないことになります。  重量比でいくと、リサイクル皿は使い捨ての皿のおよそ50倍の重さになります。 すると5年間我慢しなくてはならないのかという事になってしまうのですが、実はそ のほかにも考慮しなくてはならない要素が幾つかあります。  皿が全てお店に返されればいいのですが、幾つかはお客さんが持ち帰ってしまった り、ごみ箱に捨てられたりなどあり、リサイクル回収率が100%になるとは考えら れません。100人の内99人がしっかりお店に返したとしましょう。99%の回収 率というのはかなりの率だと思われます。しかしそれでも、4日間に10回転するう ちに1割弱の皿が失われてしまい、補充を必要とすることになります。これを考慮に 入れると、およそ6年間は続けないと、かえって環境に悪いことをしたという事にな ってしまいます。  そのほかにも、直接比較は出来ませんが、洗うことによる水汚染などが加わるため、 洗い回しできる皿はかなり不利であることが分かります。これも、1年のうちにわず か4日間しか使われないからであり、そこに問題があるようです。  対応としては、他の大学と協力して同じ皿を使い回せば、それだけ短い時間で元を 取れることになります。いずれは他大学にも普及させることで、とりあえず京大内で 実行することに問題なしとしました。(ちょっと強引かな) 4.3 リサイクル皿の確保  皿は、とりあえず私たちの牛乳パック回収実行連絡会(リサイクル社会をめざす会 の前身)で用意するしかないでしょうが、その皿を各模擬店に有料で貸し出すことに すれば、負担はかなり少なくなることが予想されました。  1店当たり50枚ほど必要でしょうが、模擬店100店が皆同じ種類の皿を必要と する訳ではありません。そのため、何種類か皿を用意しなくてはならないといった問 題が起こってきます。一種類を大量に注文すれば安くなるのでしょうが、ちょっと値 段が高く付くことが心配されます。  とりあえず16cmの円盤型の皿を1000枚(20団体分)見積もってもらいま した。普通の食器として使われているメラミン樹脂では1枚当たり234円、ポリプ ロピレン製の皿では1枚当たり120円という話です。  ポリプロピレン製の皿は、メラミン樹脂に比べたら原料の面で環境影響が少ない点 も挙げられますが、基本的にポリバケツのようなやわらかさがあるため、耐久性に問 題があったり、使い捨てと間違えて捨てられるといったことが心配されます。安くて 「捨てがたい」のですが、長期的に見れば問題があるかもしれません。  そのため、メラミン樹脂製の皿を注文する方向で、話を進めることにしました。  また、陶器製の皿を使うという話については、既製の皿が1枚100円程度で手に 入る予定ですので、選択肢としては残しておきましたが、人ごみの中で使うため割れ るという事が致命的で、参考程度にとめておきました。 4.4 皿が無くならないようにするために  回収率が99%以上は必要になってくるでしょうが、そのためには、かなりの宣伝 が必要になると思われます。  特に、いっぺんにすべての使い捨て皿が消えてしまえば分かりやすいでしょうが、 最初行う場合にはどうしても混在を避けられないでしょう。捨ててもいい皿と、捨て てはいけない皿があると、お客さんとしても困ってしまうのではないでしょうか。  一番問題があるのは、使い捨てならば持ち歩いて好きなところで食べることが出来 るのですが、洗える皿で買う場合にはその店の前で買わなくてはいけなくなることで す。皿が無くならないようにするためには不可欠でしょう。  もし、持ち歩きを考えるのであったら、至る所に使い終わった皿の回収場所(ごみ 箱ではない)を設置し、事務局で管理することになるでしょうが、これを行うと模擬 店による皿の管理が異常に複雑になります。つまり、自分の店で借りた皿は自分たち の責任で確保しなくてはならないのに、持ち歩かれてしまったらどれが自分の所の皿 なのか分からなくなってしまうのです。結局、管理がおろそかになり、失われる皿も 多くなるでしょう。  持ち歩きを認めるかどうかは、リサイクル皿を使う時に大きな問題になることが予 想されます。 4.5 洗い場について  皿ばかり用意しても、洗う場所がなかったらうまく機能しないのは当然のことです。 洗う責任は各模擬店にあり、自分たちで流しに持っていき、洗ってもらうことが本来 あるべき姿ですが、それでは洗い場がいくらあっても足りません。洗い場の問題は、 リサイクル皿を使うにあたって致命的な問題です。  ひとつ目を付けたのは、生協の食堂には自動食器洗い機が設置してあることです。 合成洗剤を使っているという問題がありますが、それは後々追求するという事で、N Fで使うことが可能かどうか考察してみました。  食器洗い機の容量ですが、1分間に数十枚洗えるという話で、NFに1日で出され ると予想される2万枚の皿を洗うのには十分な能力があります。ただし、スタッフが 何人か必要なことと、自動食器洗い機には非常に多くの電気が必要になること、ひい てはお金が非常にかかることが問題として残っています。  システムとしては、各模擬店の人が自分たちの店に返された汚れた皿を生協の食堂 まで持ち込み、そこで洗ってもらってまた自分の店で使うことにはほぼ問題はありま せんでした。一店につき1日に平均して200皿くらい食べ物が出ますが、店に50 枚ほど皿を準備しておけば、1日数回往復するだけで、それ程手間にはならないでし ょう。 4.6 お金について  お皿を買うお金、生協の自動食器洗い機を動かすお金は、模擬店に人への貸し出し で工面するしかありません。模擬店にとっては、使い捨ての皿にお金を払っていた訳 ですから、その分をこちらにもらうぶんには問題はないはずです。さて、いくらくら い収入になるのでしょうか。  模擬店が使い捨ての皿に払っているお金ですが、これは生協がまとめて注文を受け ています。生協が注文を受ける値段は以下のとおり。     舟皿 小  8.5×15.0(cm)  100枚 300円  焼き鳥用     舟皿 中  9.5×16.0(cm)  100枚 380円  たこ焼き用     舟皿 大 11.0×19.5(cm)  100枚 480円  焼きそば用     丸皿 小 直径 16.0(cm)  100枚 680円  クレープ用     丸皿 中 直径 20.0(cm)  100枚 980円  お好み焼き用     おわん 中  250(cc)  100枚 980円       おわん 大  500(cc)  50枚 980円  うどん用  1日に200皿程度売れるでしょうから、4日間で売れる量はおよそ800皿とし てみます。16cmの丸皿ですと、焼きそば、クレープ、お好み焼きに使える程度で す。これはおよそ100枚で600円。すると、800皿で5000円程度になりま す。  先程、1団体で必要な皿の枚数を50枚としましたので、1枚当たり貸し出し料と して100円くらいはもらっても構わないという話になります。これならば、わずか 2年でもとが取れるでしょう。  もっとも、模擬店にとっては洗う手間などがありますから、こちらの皿にメリット を感じさせるためにはもう少し安く設定する必要があるかもしれません。ただ、洗え る皿がそれ程高いものではないことは言えるでしょう。 4.7 模擬店代表者の反応  以上のことを、模擬店の代表者で集まる「模擬店単位実行委員会」で提案したとこ ろ、それほど模擬店から反対意見は出されませんでした。  決して、使い捨ての皿だけが全てだという考えではなく、洗える皿の方がメリット があるのなら変えてもいいという意見が多かったです。ただし、あくまでも、代表者 の意見であって、団体に帰って本当に洗う手間をどうするのかという時になったら反 応は又違ったものとなるでしょう。  ちなみに、昔から出典をしている天文同好会では、なべ焼きうどんを出しているの ですが、これはきちんと自分たちで土鍋を用意して売っています。 4.8 ここまでの計画での問題  模擬店の代表者の中には、お金を払ってもいいという人もいたのですが、洗う人の 問題など、模擬店出典者の中で話し合ってから決めなくてはならないことなど、ちょ っと今年のNFには間に合わないことがたくさんあります。どれだけ参加してもらえ るのか分からないと、生協に正式に洗い場を申し込むことも出来ませんし、皿を注文 することも出来ません。ちょっと時間不足の様相を呈してきました。  持ち歩きをどうするのか、環境への影響が本当にいいものと言い切れないこと、そ して洗い場の問題(NF期間中にも食堂は開いているため使えないらしい)とちょっ と実現するのには難しいところがあります。  7月から会議を始めて約3ヶ月、ちょっとこのまま実現をするのには力不足である 面が表に出てきました。 【5】 生協の古い皿が見つかってからの構想  すべての皿をいっぺんにリサイクル皿にするのがもっとも理想的ですが、本当にそ れが環境にいいのかという点で、積極的にプッシュすることが出来ませんでした。わ ずか3人で進めていたこともあり、来年も行えるかどうかは非常に未知数が大きく、 続ける必要があるこの行動については、責任を負うことは難しいと思われました。  そんなときに助け船を出してくれたのが、生協の学生委員会です。 5.1 中古皿の情報  生協の協力を求めるべく、何度か生協の学生委員会の会議に参加して説明してきま したが、なかなか学生委員会として協力を求めるには、実現性が弱すぎたようです。  ただ、この会議で、いい話を聞いてきました。生協では、かなり頻繁に食堂の皿を 取り替えていて、古い使われなくなった皿が、かなりの枚数倉庫につんであるという 話です。毎日使うために、かなり傷がつくもので、少しずつ補充をするのですが、あ る程度のまとまった枚数が無くなると、取り替えるという話です。  少々の傷は問題ありませんし、新しい皿を作るのとは違って資源を消費する訳では ありません。むしろ、捨てるのを待っている皿を再び使う意味で、これほど企画の意 図に合ったものはありません。早速利用させてもらうことにしました。 5.2 中古皿の現状  生協で使い古した皿ですので、望んでいた大きさの皿が手に入る訳ではありません。 「大は小を兼ねる」など説得しても、使ってもらえそうもない皿もたくさんありまし た。まあ、1団体50枚(実際は30枚で十分でした)として5団体くらい分は確保 できました。  金属製の楕円形の皿(30cm×20cm非常に大きい皿です)が150枚、メラ ミン製の丸皿(22cm)が100枚です。後者は、お好み焼きから焼きそばなど利 用用途はたくさんあると思いますが、前者の金属製の皿はどうも使い物にならないよ うです。  また、倉庫に積んであっただけあって、かなり汚れがついていて洗うのにかなり苦 労をしました。  単に古い皿では使ってもらったときにありがたみがありませんから、「環境にやさ しい皿」というラベルを貼ることにしました。ワープロでシールに印刷し、上からラ ミネートシールを張り付けると結構しっかりしたものができます。 5.3 学園祭で皿を洗えるか−保健所との関係  今までは、皿は洗って使えるものとして行動してきましたが、それを根本的に覆す 可能性のある話が持ち上がってきました。  食べ物を提供するにあたっては保健所の指導を受けなくてはならないのですが、場 合によっては、外で食べ物を提供する場合には使い捨ての皿を使わなくてはならない という指導をしているそうなのです。  幸いに、京都大学では、「皿を洗う場合には水を溜めて洗ってはいけなく、流して 洗うこと」という条件の下に、洗って使ってもいいことになっていますが、隣の同志 社大学などでは洗って使うことは最初から禁止されています。どうしてこのような差 が出てくるのか理由は知りませんが、大学によってはこのためにリサイクル皿の使用 が不可能になる場合もあるようです。 5.4 生協の食堂で使っている皿  生協の学生委員に話を聞くと、10年程度前は生協の食堂で使っている皿をNFの ために貸し出していたという話でした。ところが、終わった後に返却してくれない模 擬店などがあり、営業に支障が出てくるために、禁止してしまったという話です。ど うも、皿を貸し出す話は私たちが始めてではないようです。  皿の返却を徹底させることを約束して貸してもらうこともできるかもしれませんが、 NFの期間にも営業をしている日があるため、なかなか難しいようです。 5.5 皿の持ち歩きに関する計画  とりあえず、あるだけの皿で今年は始めてみようという話になりましたので、規模 は一気に縮小してしまいました。ただ、使い捨て文化を考えてもらうために、お客さ んに呼び掛けることは無駄ではありません。そこで、お客さんに皿を持ち歩いてもら おうという企画が持ち上がりました。  保証金として100円くらい預かって皿を貸し出し、模擬店で買って食べた後は、 皿を返してもらおうというものです。ただし、何もメリットがなければ使ってくれる 人も少ないでしょうから、皿を持ち込んだ場合には10円負けてもらえるよう企画を 考えてみました。例えば、400円の焼きそばを買うときに、皿を持ち込んだ場合に は10円負けて390円で買えると言うものです。  これでは模擬店としては自腹を切るように思われがちですが、考えてみれば、お店 としても、自分たちで用意した皿を使わずにすむのですからその分のお金(1枚3円 から10円くらい)はお客さんに返却するのは筋でしょう。  その点からすると、別にリサイクル皿を使う必要はなく、一度使った使い捨ての皿 でも、もう一度お店に持ち込んで買った場合には、ごみも少なくなるし新しい皿を使 わずにすんだことになりますから10円負けてあげても構わないはずです。  これについても勝手に決めるわけには行きませんから、お店の協力を得るよう説得 していくことになります。 5.6 洗い場の問題  生協の古食器を使う以上、食堂の自動食器洗い機といった大規模なものを使う必要 はありません。方針を変え、自分たちで洗い場を確保する方向で話を進めていきまし た。  生協の組合員センターの隣の流しを使わしてもらえるよう頼み込んだり、当然事務 局にも洗い場を作るよう申し入れをしたりしました。  一方、洗い場においても取り組みをするために、合成洗剤を使わないようにと一つ 一つの洗い場に石けんを置いたり、大きなくずを流さないためのざるや、ごみ袋など を設置しておきました。 5.7 お客さんへの宣伝  ちゃんと宣伝しなくては、皿を持ち歩いてくれる人はいないでしょうから、10円 を負けてくれるお店の一覧表と、地図を書いたビラを用意し、宣伝をしました。  お店にも、   「環境にやさしいNF 10円まけるお店         (ただしお皿を持ち込んだお客さんにかぎります)」 というポスターを張り、目立つように努めました。 5.8 模擬店の反応  賛同してくれるかどうか心配だった10円負けてもらう提案ですが、その程度の手 間なら構わないと、10円負けてもいいよと言ってくれた団体は、会議のアンケート の段階で約20団体にまでなりました。  しかし、洗える皿を使ってもらう企画については、団体の中で洗うことにたいする 問題が残っているらしく、いつまで経っても注文は来ませんでした。何回か模擬店の 単位実行委員会で、注文を受け付けても、当たりのありそうな団体に電話をかけても、 注文はなし。最初の注文を受け付けてから締め切りまでの2週間に、注文してくれた 団体は結局ありませんでした。  お客さんに持ち歩いてもらうだけでは、大した企画ではないでしょうし、そのよう なわかりずらい企画だけなら止めてしまったほうがいいかもしれないという考えも起 こってきました。今までの、あちこちで行ってきた説明も結局無駄骨だったかと、実 際完全に意気消沈していました。 ポートアイランドの話  もう、皿の企画については、模擬店の人が賛同してくれなくては、自分たちではど うしようもありません。申し込みがないというのは、結局失敗だったという事でしょ う。何もする気がなく、放心状態で暮らしていました。  毎週木曜日に、牛乳パック回収実行連絡会の会議があるのですが、2〜3回はそん な状況報告だけで、明るい報告はありませんでした。  その木曜日に、合唱団(もうひとつサークルに所属しているのです)の仲間からポ ートアイランドに遊びに行かないかという話が持ち上がりました。その日は、アルバ イトに行く予定だったのですが、アルバイトをするのも面倒に感じてしまい、試験が あるなりの言い訳をして、遊びにいくことにしました。現実逃避といった感じでしょ うか。  さすがに遊びの場だけあって、思いっきり楽しんでくることが出来ました。ジェッ トコースターはちょっと楽しめなかったけれど・・・。まあ、心には重たいものが残 っていますが、それを忘れされてくれるだけの物はあります。  しかし、やはりこういう場合、夕方になると寂しくなってくるものです。もっと楽 しんでいたいけれど、帰って会議に参加し、進展がなかったことを報告しなくてはな らないことを考えると、非常に辛いものがあります。できれば、このまま会議にでな いでいたいなあと。またまた、現実逃避の病気が出てきたようです。  饗宴も終わり、やはり会議に出ることになりました。今まで楽しんでしまったゆえ に余計、会議の静かさが身にしみるものです。こんなことなら、遊園地に行かないほ うがよかったかなと思ったりもしました。  重たい気持ちで会議に行ってみると、何事もなかったかのように、「そういえば、 皿の注文がきていたよ」。そうなのか! ばかやろう、注文するなら事前に連絡しろ よ! 意気消沈したあとのこの注文、こんなにうれしいことが合ったものか、全く人 生というのはわからないものです。  それから立て続けに皿の注文があり、この企画が一気に11月祭に向けて動きだし たのは言うまでもありません。 【6】 期間中の活動  最初の日には、少しでも多くの団体に協力してもらえるように、全部の模擬店を回 って、10円負けてもらえないかと説得に回りました。自分たちで用意したポスター で「環境にやさしい店」として差別化する準備もあってか、賛同してくれる団体は更 に増え、最終的には48団体にまでなりました。  実際、皿の貸し出しを行う以外については、それほど期間中に行うことはありませ ん。皿を使っているところがうまく機能しているか非常に心配だったのですが、30 枚程度の皿があれば問題なく機能することが分かりました。  また、皿が無くなることも心配だったのですが、最終的には1枚もなくならずにす べて手元に帰ってきました。ただし、持ち出しを希望する人の事も考えて、「持ち出 しを希望する方のために少し使い捨ての皿を用意していてください」と言っておいた ことは事実ですが、大部分の人はリサイクル皿を使ってその場で食べていた様子です。  皿を使ってくれた団体  ネグロスキャンペーン京都              ギタークラブ              医学部テニスサークル  お客さんの持ち歩きの方ですが、お祭りの時にいくら宣伝しても効き目がないこと は分かっていたのですが、それほど持ち歩いてくれる人はいませんでした。(1日に 10人はいなかったでしょう)  しかし、ポスターは目立ったでしょうし、なにかしら気付いてくれたお客さんは多 いはずです。皿を持ち歩くのは、非常に恥ずかしいことなのかもしれません。私も恥 ずかしくて、実際1度しか持ち歩きませんでした。  なお、環境にやさしい11月祭実行委員会の企画と並んで、洗える皿を使うことに 関して、京都新聞に乗せていただきました。 【7】 初年度の反省  結局、10円負けてくれるお店は多くとも、持ち歩くお客さんが少なかったことで、 ごみ減らしについては失敗に終わったのかもしれません。しかし、使い捨て一辺倒の お祭りの場で「使い捨て」に警告を発することができ、実際に一部ではそれを実現で きたことだけでも、かなりの成果だということができるのではないでしょうか。  特に、3団体だけではあっても、使い捨てでない皿を利用してもらった団体がある だけでも、すごい進歩であると思います。  一つ忘れてはならないことは、いろいろな団体に何十回と話をしてきたことによっ て、環境問題を考えてもらうことが出来たのではないかと言うことです。何も事が起 こらなければ、いつも通りの使い捨ての11月祭であったでしょうが、それを克服で きないにしても考えてもらうことが出来たのは大きなことです。  そして、小さいことながらも、「10円をまける」ことはお店にとっては手間以外 の何者でもないでしょうが、「環境の事を考えて」決断してくれたことは、11月祭 にもまだ環境視点から見直して変えていく可能性が残されていることを意味している ものと考えられます。 初年度の活動を終えた日(1991年11月24日)  7月のはじめから活動を開始し、あちこちの会議で何度となく話をしてきて、時に は無視されたり、時にははげましの言葉をもらったりと、非常に波乱に富んだ活動で したが、小さいながらも無事に締めくくることができました。  まだ来年に期待するところもありますが、取り合えず今年の活動は一段落ついたと いったところでしょう。一つの事を成し遂げたという、何ともいいがたい満足の心持 ちです。ほかの団体の人たちも、自分たちの部屋の片付けなど、それぞれに満足した 顔があったのは、傍目に見ていてもうれしいものです。  片付けには、夕方遅くまでかかりました。もう、明日に片付けをするようにと帰っ てしまった団体も多く、電気のついていない廊下はもうほとんど暗くなっていました。 ふと振り替えると、窓からは薄暗い赤い光が差し込んでいるのが妙にきれいで、つい つい手を休めてのぞきこんでみました。  もう、空の上の方は星が見えるのではないかというくらいの暗さになっていました が、地平線すれすれくらいには、まだ赤い夕焼けが漂っていました。たまたま、その 真ん中に焼却場がくる視点であったのは、だれかがそう仕向けたのでしょうか。焼却 場から上がる煙がまっすぐに天に向かって伸び、赤の背景に真っ黒のシルエットにな っていました。そのコントラストの美しさは、未だに脳裏に焼き付いて離れません。  考えてみれば、そもそもあの黒い煙を無くすために、使い捨て皿を止めようと企画 したものです。その使い捨ての皿たちが今、まさに燃やされているのでしょう。この 5ヶ月間、必死に活動してきても、結局燃やすことになってしまった無力さに寂しさ を覚えました。  しばし立ち止まって眺めていました。悲しいからではありません。ただ、その映像 がとてもきれいなものだったからです。 【8】 1991年の集約      主催    牛乳パック回収実行連絡会            環境にやさしい11月祭連絡会       プロジェクトメンバー  工学部2回生  鈴木 靖文                  医学部1回生  江崎                     1回生  篠田      プロジェクト開始    1991年7月      協力      京都大学生協              京大生協吉田キャンパス運営委員会              京都大学吉田食堂フォンテ              京都大学吉田購買部              工学部NF実行委員会              農学部NF実行委員会              琵琶湖研究会              反原発学習会              みんなまった              合成洗剤勉強会              環境問題連絡会              芦生ゼミ              経済学ゼミ              ユニセフクラブ       賛同団体   医学部テニス部              ギタークラブ ネグロスキャンペーン京都          ロビンソン      バンビーズ         APPLE HOUSE  ON THE LINE  京都大学旅愛好会  理学部1回生6組  にんじん  薬学部1回生1組  経済学部2回生2組       フォース  さいもんめ       ラコステ  いたずら子供会  工学部1回生4組  ペニーレーン       イリュージョン  ブルマー&カルピス 工学部1回生7組  ロックス シューティングスターズ  LUNATIC  デラックス同好会 医療研究会  北白川同好会    工学部1回生11組  グラッチェ    文学部1回生2組  テニスサークル Odds  なめくじ外人部隊  Joe  ings    法学部1回生3組  ひとまかせ  卓球愛好会  京大軟庭同好会     I.S.TENNIS.A       水泳同好会 ミコノス MID 京大体育会サイクリング部 智弁和歌山野球部後援会 工学部1回生12組  京歩会 Villege Master  OILERZ サザンクロス 【9】 1992年の集約  新しく、生協から皿をもらい受けたり、市内の学生食堂でいらなくなった皿をもら い受けたりして、皿の枚数は1000枚を越えました。皿を洗って使ってくれた団体 も6団体に増え、10円どころか100円負けてもいいという団体も出てきました。 残念ながら、お客さんの皿の持ち歩きは引き続き失敗してしまいましたが、去年より 発展したのは事実です。  京都大学新聞には、「NF期間中の使い捨て皿使用禁止宣言」を載せ、大きな看板 を入り口に立てて呼び掛けも行いました。  そのほか、ペットボトルを使わずに、ビンで提供できるもの(コーラなど)は提供 するように呼び掛けを行い、3団体で採用してもらいました。 NF期間中の使い捨て皿使用禁止宣言 リサイクル社会をめざす会 工学部NF中間実行委員会  皿には、使い捨てのものと、洗って何度も使えるものの2種類があります。学園祭 の模擬店の賑やかさの中で、発泡スチロール製の使い捨て皿は非常によく使われてい るのですが、陶器製の皿もしくは硬質プラスチック製の皿といった、洗い回しのでき る皿を使っているところは非常にわずかです。「お皿」と言ったら、私たちは普段、 後者の皿のことを思い浮かべますが、学園祭の最中にはその常識は成り立たず、わざ わざ「リサイクル皿」もしくは「環境にやさしい皿」などと特殊な言い方をせざるを 得ません。そんな異常な使い捨て社会が一時的にせよ形成されるのです。  使い捨ては便利です。模擬店にとっては、洗う手間が要らず売りっぱなしですみま すし、買い手も、わざわざ皿をもとの模擬店に返す必要もありません。しかし、それ は単にそのつけを部外者に回しているにすぎないのです。  大きく5つの問題がそこに隠されています。  1つめは、ごみ処理の押し付けの問題。自分達でごみを産み出しておきながら、ご み箱や焼却場の管理・ごみの運搬はNF事務局の仕事になっています。面倒なことは 事務局に押し付けてしまって、使い捨ては便利だと言っている。これら本来自分達で やるべき仕事を自分達でするなら、使い捨ては便利であるかは疑わしくなります。  2つめは、ごみの投げ捨ての問題。見苦しいごみの投げ捨ても、皿を返してもらう 必要があるのなら起こり得ないはずです。使い捨ての皿を使うことにより、投げ捨て を助長しているとも考えられます。これもまただれかが後片付けをすることになるの です。  3つめは、焼却場での排ガスの問題。NFのごみは吉田の焼却場で燃やされますが、 ここには排煙処理の設備がなく、大量の煙が排出されます。普段の日でも、気流の関 係で東大路沿いに煙が滞留することが多く、歩いていてむせ返るほどです。しかも、 普段の日は紙屑が中心ですが、NF期間中のごみは大部分がプラスチックになります。 ただむせるだけではなく、長く吸っていると健康に害が出てくる心配もあるのです。 発泡スチロールがあるので、一緒に燃やされる塩化ビニル製品の量に応じてダイオキ シンも発生することでしょう。特に、大病院が近いというナイーブな環境にあるので すから、これら排ガスについては早急に対処する必要があるでしょう。  4つめは、資源の無駄遣いの問題。石油資源は日を追って量が減っています。まだ 価格にも反映されていないので自由に使ってかまわない風潮ができていますが、いず れは枯渇することでしょう。100年後のNFでは、今年のNFを振り返り「なんて ばかな使い方をしていたのだろう」などと考えるのでしょうね。  5つめは、フロンガスの問題。発泡スチロールは、スプレー・冷媒と並んでフロン ガスの大きな消費先です。フロンガスはモントリオール議定書がかわされ、もう解決 されてしまったような気配ですが、議定書を見直してみると「95年までは使っても いい」ことになっていて、実際日本での消費量はピークの年より3割も削減されてい ないのです。この削減の3割は大部分、よく騒がれたスプレーの分でしょうから、発 泡スチロールに使われているフロンは以前と変わっていないはずです。  使い捨ての便利さは、これらの数々の問題を隠蔽した上で成り立っている虚構にす ぎないのです。  ところで、面白いことに、このNFの問題は日本の社会のごみ問題と良く似通って いるのです。「使い捨て」はマクロレベルでも「便利ではあるが問題を外部化する」 という同じ様な構造が必然的に付きまとうのです。  NFを通じて、問題点を明らかにしていくと同時に、現在の日本社会での問題も考 えてもらうことができれば幸いであると考えています。 ◆  さて、使い捨てを止めろといってもその代替案がなければ無理な注文ということに なります。私たちの団体は模擬店は出しませんが、「リサイクル皿」を使っていくた めの支援をできないかと去年からいろいろ模索をしてきました。  まず、「リサイクル皿」を使うと、洗う手間がかかることや、皿がなくなる心配な ど問題が考えられましたが、それがそれほど苦にならないことは、去年お好み焼きの 模擬店を開いた京都アノミーのかたの体験から明らかになりました。洗う手間といっ てもそれは人間を何人動員できるかの問題にすぎませんし、皿の紛失についても、4 日間でなくなった皿は1枚もありませんでした。  むしろ問題は、使い捨てでない皿を自分達で確保する難しさと、洗い場の不足の2 点に絞られているようです。  クラスで出店するなど、1回きりしか店を出さない場合には、洗える皿を大量に抱 え込んでも意味がありません。また、毎年出している団体でも、売るものが変われば 皿も変えなくてはなりません。  この問題については、皿をまとめて確保して期間中に貸し出すということで対応し ています。私たちには資金が全くないので皿を買うことはできないのですが、幸いな ことに生協の食堂や町の食堂で使い古した皿をまとめてもらい受けることができ、洗 って提供することができました。現在14種類・1000枚以上が確保してあります。 しかし、思い通りの大きさの皿が見つからないためにリサイクル皿の採用ができない といった事態も出ており、今後の課題となっています。  もう一つ、洗い場が少ないという点は非常に大きなネックとなっています。吉田の 模擬店は洗い場にまだ恵まれているのですが、本部構内には使うことが認められた洗 い場は2〜3箇所しかありません。ここで数十団体が洗えというのは、使い捨ての皿 を使っていても足りなくなるといった状況です。  これについては、NF事務局等に洗い場を作ってもらえるよう申し入れをしている のですが、今年は見送りとなってしまいました。一応、1ヶ所だけ自分達で新たな洗 い場を設置する予定です。  この企画には、模擬店だけではなく、お客さんにも協力してもらえるようにお願い しています。皿を持ち歩き、その皿に盛ってもらって食べ物を買うというものです。 バックでも傘でも自分で持ち歩くわけですから、皿を持ち歩くくらい面倒ではないは ずです。持ち歩けないとしたら、皆がやっていないから恥ずかしいからでしょう。  皿を家から持ってきてもらうことを基本としていまうが、種類も必要ですし、NF の期間中にも各所で皿の無料貸出を行うことを考えています。あとは、皿を持ち歩か ないほうが恥ずかしいことなんだという雰囲気を作り出せるよう、宣伝など努力して いく予定です。 ◆  準備は決して十分ではありませんが、これらの支援を以って「NF期間中の使い捨 て皿使用禁止」の宣言をすることにしました。「リサイクル皿は面倒だから」という 理由での拒否は、単なる甘えにしか過ぎません。リサイクル皿を使うにあたって、 「面倒」以外の問題がある場合には、今後の参考とさせていただきますので、私たち の方に連絡をお願いします。    連絡先  075−751−9865 鈴木靖文 【10】 1993年の活動  皿のみでなく、NF全体として、環境にどれだけ影響を与えているのかを監査する、 「NF環境監査」を実施することをNF事務局に約束させました。11月祭で購入す る物品などについて報告してもらい、より望ましいものはないか議論していく予定で す。  洗い場の設置についても、NF事務局が了承しました。ただし、不況で収入が少な いことが予想されるため、実施されるかは微妙なところです。  皿については、他の大学で必要とすると頃には積極的に貸し出していく予定です。                       1993/08/05 文責 鈴木靖文