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喘息予防・管理ガイドライン 2015

喘息の定義

 成人喘息は気道の慢性炎症、可逆性のある種々の程度の気道狭窄と気道過敏性の亢進、そして、臨床的には繰り返し起こる咳、喘鳴、呼吸困難で特徴づけられる閉塞性呼吸器疾患である。

喘息の治療の目標

1.健常人と変わらない日常生活が送れること。正常な発育が保たれること。
2.正常に近い肺機能を維持すること。
  PEFの変動が予測値の20%未満。
  PEFが予測値の80%以上。
3.夜間や早朝の咳や呼吸困難がなく十分な夜間睡眠が可能なこと。
4.喘息発作が起こらないこと。
5.喘息死の回避。
6.治療薬による副作用がないこと。
7.非可逆的な気道リモデリングへの進展を防ぐこと。

リモデリングとは、気管支の炎症が慢性的に続いた結果、気道壁が厚くなって、気管支の内腔がせまくなる現象。可逆性が消失して難治化につながる。

薬物によるコントロール

 抗炎症治療に重きを置き、ステップ1からICS(吸入ステロイド薬)が推奨され、喘息治療はICSがベースとなる。また、ステップ2以上では、ICS+LABA配合剤の使用も推奨されている。

喘息治療ステップ(JGL2015)

  治療ステップ1 治療ステップ2
治療ステップ3
治療ステップ4

吸入ステロイド薬

(低用量)

吸入ステロイド薬

(低〜中用量)

吸入ステロイド薬

(中〜高用量)

吸入ステロイド薬

(高用量)

上記が使用できない場合は以下のいずれかを用いる

ロイコトリエン受容体拮抗薬

テオフィリン(徐放製剤)

※ 症状がまれであれば必要なし。

 

上記で不十分な場合に以下のいずれか1剤を併用

LABA(配合剤の使用可)

ロイコトリエン受容体拮抗薬

テオフィリン(徐放製剤)

 

上記に下記のいずれか1剤、あるいは複数を併用

LABA(配合剤の使用可)

ロイコトリエン受容体拮抗薬

テオフィリン(徐放製剤)

LAMA 

 

上記に下記の複数を併用 

LABA(配合剤の使用可)

ロイコトリエン受容体拮抗薬

テオフィリン(徐放製剤)

LAMA

抗IgE抗体

経口ステロイド薬

追加

治療

ロイコトリエン受容体拮抗薬以外の抗アレルギー剤
ロイコトリエン受容体拮抗薬以外の抗アレルギー剤
ロイコトリエン受容体拮抗薬以外の抗アレルギー剤
 ロイコトリエン受容体拮抗薬以外の抗アレルギー剤

発作治療

吸入SABA 吸入SABA 吸入SABA 吸入SABA

 抗アレルギー剤とは、ケミカルメディエーター遊離抑制薬、H1ブロッカー、トロンボキサンA阻害薬、Th2サイトカイン阻害剤を指す。
 経口ステロイド薬は短期間の間欠的投与を原則とする。他の薬剤で治療内容を強化し、かつ短期間の間欠投与でもコントロールが得られない場合は、必要最小量を維持量とする。
 ブデソニド/ホルモテロール配合剤を長期管理薬と発作治療薬の両方に使用する方法で薬物療法行っている場合には、ブデソニド/ホルモテロール配合剤を発作治療に用いることもできる。長期管理と発作治療を合わせ1日8吸入までとするが、一時的に1日合計12吸入(ブデソニドとして1,920μg、ホルモテロールフマル酸塩水和物として54μg)まで増量可能である。ただし、1日8吸入を超える場合は速やかに医療機関を受診するよう患者に説明する。

コントロール状態の評価

 

コントロール良好

(すべての項目が該当)

コントロール不十分

(すべての項目が該当)

コントロール不良

喘息症状

(日中および夜間)

なし

週1回以上

コントロール不十

分の項目が3つ

以上当てはまる

発作治療薬の使用 なし 週1回以上
運動を含む活動制限 なし あり

呼吸機能

(FEV1及びPEF)

予測値あるいは自己

最高値の80%以上

予測値あるいは自己

最高値の80%未満

PEFの日(週)内変動 20%未満 20%以上

憎悪(予定外受診、

救急受診、入院)

なし 年に1回以上 月に1回以上

 憎悪が月に1回以上あれば他の項目が該当しなくてもコントロール不良と評価する。

薬物治療中の患者

 治療ステップの選択は、コントロール状態の評価を参考に以下のように行う。

  • コントロール良好:現在の治療の続行あるいは良好な状態が3〜6ヶ月持続していればステップダウンを考慮する。
  • コントロール不十分:現行のステップを1段階アップする。
  • コントロール不良:現行の治療ステップを2段階アップする。

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喘息重症度

 JGL2006では重症度に応じて治療ステップが決められていたため、重症度にもステップという記載が用いられていたが、JGL2009では重症度ではなく治療内容の強弱に沿ったステップの考え方が取り入れられた。そのため、重症度分類からステップという記載が削除され、症状の程度の記載のみとなる。

治療前の臨床所見による喘息重症度の分類(成人)

重症度  

軽症間欠型

軽症持続型

中等症持続型

重症持続型

喘息症状

の特徴

頻度

週1回未満

週1回以上だが毎日ではない

毎日

毎日
強度 症状は軽度で短い

月1回以上日常生活や

睡眠が妨げられる

週1回以上日常生活や

睡眠が妨げられる

日常生活に制限


短時間作用性吸入β刺激薬

頓用がほとんど毎日必要

治療下でもしばしば増悪
夜間症状 月に2回未満 月2回以上 週1回以上 しばしば

PEF

FEV1

%FEV1

%PEF

80%以上 80%以上
60%以上80%未満 60%未満
変動 20%未満 20〜30% 30%を超える 30%を超える

未治療患者の症状と目安となる治療ステップ


治療ステップ1

治療ステップ2

治療ステップ3

治療ステップ4

対象となる症状

(軽症間欠型相当)

・症状が週1回未満

・症状は軽度で短い

・夜間症状は月に2回未満

 

 

(軽症持続型相当)

・症状が週1回以上、しかし毎日ではない

・月1回以上日常生活や睡眠が妨げられる

・夜間症状は月に2回以上

 

(中等症持続型相当)

・症状が毎日ある

・短時間作用性吸入β2刺激薬がほぼ毎日必要

・週1回以上日常生活や睡眠が妨げられる

・夜間症状が週1回以上

(重症持続型相当)

・治療下でもしばしば憎悪

・症状が毎日ある

・日常生活が制限される

・夜間症状がしばしば