火山などの高温環境で生育する微生物が発見され、100度近い温度でも生きていることがわかってきました。このような微生物は超好熱菌と名付けられました。バクテリアに似ているのですが、研究の結果、バクテリアとはまったく違う生物であることがわかりました。それまで、生物は真核生物と原核生物に分けられていましたが、超好熱菌はどちらとも違いました。第三の生物として古細菌と名付けられました。古細菌は現在名前が変わって、始原菌と呼ばれています。いままで知られていたバクテリア(細菌)は、古細菌に対して真正細菌と呼ばれます。
. 超好熱菌は地獄谷の中でも平気で生きている(登別の地獄谷)
メタン生成菌は廃水処理などに利用されています。食品工場やビール工場の廃水には有機物がたくさん含まれています。これを、そのまま河川に流すと、河川や湖が汚染されます。そこで、廃水中の有機物を分解してから放出されます。いわゆる廃水処理といわれる技術が利用されます。 廃水処理の技術のなかにメタン発酵という方法があります。高濃度の有機物を含む廃水を酸素のない状態で処理します。この処理では、微生物によって有機物が分解され、最終的にメタンガスが発生します。このメタンは処理装置のなかにいるメタン生成菌によってつくられます。発生したメタンは燃料として利用できます。廃水を処理できると同時に、発生したメタンをボイラーなどの燃料として利用できるのです。
古細菌は過酷な環境で生きているので、それがつくる酵素も非常に強い性質を持っています。超好熱菌の酵素には100度Cでよく働くものがあります。酵素はタンパク質ですから、普通の酵素は100度Cになると変性して活性がなくなります。卵をゆでると黄身や白身が固まりますが、このようになることをタンパク質が変性するといいます。超好熱菌の酵素はゆで卵ができるような高温でも働くことができます。このような強い性質を利用しようという研究が進められています。