殺 菌 の 方 法

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 微生物(菌)は私たちの健康に重要なものです。例えば、私たちの腸にはたくさんの細菌が共生しており、これらが私たちの健康を維持する働きをしています。病気になったとき、抗生物質のカプセルや錠剤を飲むと下痢をすることがあります。これは、抗生物質によって、腸に共生する細菌が弱って、腸内の環境が異常になるからです。

 しかし、病気の原因となる微生物もいます。そのような微生物が繁殖しないようにすることも大事です。ここでは、微生物を殺す方法(殺菌方法)について説明します。しかし、無害な微生物まで、むやみやたらと殺菌して、生活環境から微生物をなくしてしまうと、私たちの身体が微生物に対して抵抗性を失ってしまいます。不必要な殺菌や除菌はやめてください。過剰な除菌は、私たちの微生物への抵抗力が弱くなるので、かえって危険です。
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 殺菌法として一番簡単で確実なのは熱をかけることです。水や食品に含まれる微生物は100度Cくらいの温度でほとんどは死んでしまいます。

 しかし、カビや細菌の胞子は結構熱に強いので注意が必要です。胞子とは、植物の種のようなものです。カビが胞子をつくるのをご存じの方も多いと思いますが、細菌でも胞子を作るものがいます。このような胞子は100度Cでも生き残ります。しかし、胞子が発芽して細菌になると熱に弱くなります。

 そこで、細菌の胞子を殺すには、100度で30分加熱して細菌を殺し、それを一日おいておきます。そうすると、生き残った残った胞子が発芽して細菌になります。次の日にふたたび100度Cで加熱すると細菌になった胞子(もう胞子ではありませんが)が死にます。これを3日ほど繰り返すと、胞子がいなくなって完全に殺菌できます。

 もっと短時間に殺菌するには120度Cくらいの温度で15分くらい加熱します。そうすると、強い胞子でも死んでしまいます。普通の条件では120度Cにするのは難しいですね。この温度にするには圧力をかける必要があります。研究所などではオートクレーブという装置を使います。家庭にある調理用具の圧力鍋のようなものです。
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  しかし超好熱菌という微生物は100度Cでも平気です。超好熱菌の仲間は、細菌の一種と考えられていましたが、その後の研究で、一般の細菌、真性細菌と言いますが、これらとは全く違う微生物であることがわかってきました。このような超好熱菌は海底火山や温泉に棲んでいます。超好熱菌を100度Cの熱で殺菌するのはむずかしといえますが、普通の生活環境にはいませんし、また今のところ重大な病気の原因となるものもいないようなので、わざわざ殺菌する必要もないでしょう。
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 加熱意外の手軽な殺菌法としてアルコール殺菌があります。例えば、焼酎は腐ることがありませんね。これは焼酎にアルコールが含まれているからです。ただし、あまり薄いアルコールでは意味がありません。日本酒は長期間おいておくと酸敗します。これは、酢酸菌や乳酸菌というような微生物が日本酒の中で増えてくるからです。日本酒のアルコール濃度は15%くらいです。焼酎は25%くらいなので、これくらいの濃度になると微生物が生育しにくくなります。

 殺菌にもっとも適したアルコール濃度は70%くらいです。殺菌用アルコ−ルとして売られているものも70%です。この殺菌用アルコールで手や容器を拭いたり、あるいは殺菌用アルコールを噴霧することによって微生物を殺すことができます。
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 抗生物質は感染症などの治療で使われています。これも一種の殺菌といえますが、問題は、同じ抗生物質を長い間使っていると、微生物がその抗生物質に抵抗性を持つようになることです。製薬メーカーでは、ある抗生物質がきかない病原菌が見つかると、それに効果のある新しい抗生物質を開発します。しかし、この新しい抗生物質も使っているうちに、またまた、それに抵抗性のある微生物が出てきます。微生物と抗生物質開発の追っかけあいのようなものです。

 抗生物質は感染症の治療に大変役に立っていますが、使いすぎると微生物が抵抗性を持つようになるので、必要以上に使わないようにすることが必要です。

 ちなみに、熱やアルコールで殺菌できる微生物がこれらに抵抗性を持つようになることはありません。これは、熱やアルコールの殺菌作用と抗生物質の作用はメカニズムが全く違うことによるものです。
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 食品を保存するのに、高濃度の食塩や酢が使われています。このような方法は、殺菌ということではなく、微生物が増えないようにしているのです。普通の微生物は食塩などの塩類や酸の濃度が高い条件では増えることができません。

 昔の人は経験的にこのようなことを見つけて食品を保存してきました。ビクルスや梅干などがそれです。同じように、高濃度の砂糖の中でも微生物は増えることができません。それを利用したのが、果物の砂糖漬やジャムです。
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