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間もなく閉館、青山のシャガール展示館    (2009.2.22)

「青山ユニマット美術館、3月31日閉館」と知って、行ってきました。南青山のさくら並木沿いに佇む青山ユニマット美術館。フランスの画家マルクシャガールの作品を中心に展示しているこの小さな美術館は、閉館した箱根芦ノ湖美術館所蔵の美術品を引き継いで、3年前に開館したもので、ユニマット社長の高橋洋二氏が館長を務めていました。開館して3年しか経ってないのに閉館とは、「いよいよ不況の波が美術館にも!!」と思ったのですが、オフィシャルサイトを見ると、昨年末、美術館の統括責任者の方が急逝されたため、企画運営が出来なくなり、急遽閉館に至ったということです。
 
チケットを買って入館して、まず4階へ上がります。4階はシャガールの常設展。シャガールは大好きな画家の一人。世界で初めて一般公開されたという、妻ベラへのオマージュで、戦争で失われたたくさんの命へ捧げられた作品「ブルー・コンサート」は、入ってすぐのところにあります。
3階はエコール・ド・パリと呼ばれる、20世紀初頭のパリに集まった画家たち、ピカソ、藤田嗣治、ユトリロ等の絵が展示してります。
2階は、「ミレーとバルビゾン派の画家達」という特別展示で、ミレーの初期の作品である「犬を抱いた少女」、農民を描いた「一日の終り」等、またスイスの湖畔を描いたギュスターヴ・クールベ作「シヨン城」や、家畜の牛をいきいきと描いたトロワイヨン作「水辺の牛」ほか、コロー、ディアズ、デュプレ、ルソー等バルビゾン派の画家たちが描いた美しい風景画などを見ることができました。
 
それにしても、オープン僅か3年での閉館です。統括責任者の方が急逝されたとは言え、昨今の経済情勢を鑑みても、不況の影響もゼロではないでしょう。過度な期待は無理でしょうが、フランスの古典派以降の西洋絵画約400点を収蔵し、シャガールのコレクションは定評がある美術館だけに、今後も何処かで継続して開館して頂きたいところです。

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