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新井旅館               (2010.01.10)
国の登録有形文化財の宿

修善寺温泉の新井旅館に行きました。1872年(明治5年)創業のたいそう歴史のある旅館で、15個の建造物が、国の登録有形文化財に指定されています。また、数多くの文人墨客たちが訪れた旅館だそうです。建物は古くても掃除が行き届いていて清潔感があり、旅館の庭、お風呂など、すべてに歴史を感じる旅館で、仲居さんの対応も丁寧で、とても好感を持ちました。部屋に囲まれた庭の池は、桂川の水を引いているとか、何とも風情のある感じでした。文化財に登録されていることもあり、古いものを出来るだけ保存しようと努めていて、窓はアルミサッシではなく木枠で、波々がある手作りのガラスも残されていました。
 
部屋での料理は、豪華というより、とても品よくまとめられていて、かまくらのように盛られた氷で冷やされた刺身は見た目も美しく、美味しく頂きました。お風呂は何種類もあり、特に天平風呂は大きく、太い柱で支えた天井は高さもあり、湯気による曇りもなく、日本建築の真髄を思わせる自然の空調の素晴らしさを感じました。これも登録文化財だそうです。
 
館内のガイドツアーがあり、建物の歴史や文人たちとの親交の様子などについて説明を受けました。この旅館は、多くの映画の撮影に使われており、最近では、松たか子主演の映画「ヴィヨンの妻」は、この旅館の客室吉野の棟を使用して撮影されたそうです。     (2010.1.8泊)

新井旅館の登録文化財
①青州楼、②雪の楼、③渡りの橋、④霞の棟、⑤桐の棟、⑥月の棟、⑦甘泉楼、⑧紅葉、
⑨山陽荘、⑩天平風呂、⑪あやめの棟、⑫花の棟、⑬吉野の棟、⑭観音堂、⑮水蔵

新井旅館を訪れた主な文人墨客
 画家 安田 靫彦  横山 大観  川端 龍子  今村 紫紅  小林 古径 
石井 林響  前田 青邨  速水 御舟  川合 玉堂
文人 岡本 綺堂  泉 鏡花  芥川 龍之介  尾崎 紅葉 
舟橋 聖一  幸田 露伴  川口 松太郎
 俳人 高浜虚子 役者 初代 中村 吉右衛門  市川 左団次

旅館のシンボル 青州楼
島崎藤村,田山花袋が宿泊
新井旅館の玄関 月の棟
芥川龍之介が一ヶ月滞在した部屋がある

天平風呂
安田靫彦の設計の総檜造り
天平風呂の天井
湯気による曇りのない設計

露天風呂 木洩れ日の湯 木洩れ日の湯の周り

渡りの橋 坂を緩やかに見せるため、
入口と出口で欄干の高さを変えた設計
渡りの橋と中庭
桂川の水を引いている

樹齢??の大木 泉鏡花が小説の中に登場させた
部屋がある桐の棟 

観音堂 雪の棟(ここに宿泊)
高浜虚子が滞在し句や随筆を残した

月の棟内部のロビー ロビーの横山大観の書

夕食のお造り
かまくらで冷やした刺身
新井旅館で撮影された
映画「ヴィヨンの妻」

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