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「海賊」〜パ・ド・ドゥ:荒井祐子・平田貴義 (2004.3.9)
荒井祐子さんは、1990年ローザンヌ国際バレエコンクールでプリ・ド・ローザンヌ・スカラーシップを受賞。同年、ハンブルク・バレエ学校に留学。1995年より東京バレエ団のソリストでしたが、2003年、突然、熊川哲也率いるK-バレエに移籍をされました。何故かは知りませんが、K-バレエでの活躍を期待いたします。
大分古くなったのですが、若い頃の荒井祐子さんが踊った「海賊」のパ・ド・ドゥを収録したビデオがあります。彼女がローザンヌに入賞されてから間もなく撮られた映像で、若々しい、フレッシュな踊りを楽しめます。この映像は「バレエ誕生」という番組で放送されたものですが、
私の「海賊」の映像のコレクションの中で特に好きな物の一つで、良く取り出して観ています。
その頃彼女は、名古屋の塚本洋子バレエスタジオに団に所属していました。このバレエスタジオは、榊原弘子さん、植村麻衣子さんが相次いでローザンヌに入賞された名門です。塚本さんは「基本に忠実に」をモットーにバレエの指導に情熱を傾けておられるそうです。
この「海賊」のパ・ド・ドゥは、かつてはロシア以外ではあまり知られていませんでしたが、ヌレエフが西側に亡命し、1964年頃マーゴ・フォンティーンと踊ったことから、爆発的に西側に広まったと言われています。現在では、バレエコンサートで度々取り上げられる人気作品の一つです。
普段あまりテクニックを見せないマーゴ・フォンティーンも、ヌレエフという20歳も若いパートナーに刺激されてか、この「海賊」では、アダージョに、コーダに、華麗なテクニックを披露しています。
荒井祐子さんは、テクニックを誇示するダンサーではなく、むしろ控えめで大和撫子的な品のよさが漂うバレリーナですが、この「海賊」では、アダージョに、コーダに、華麗なテクニックを披露しています。アダージョでのしなやかで安定感のあるバランスはとても魅力的ですし、コーダでのグラン・フェッテはトリプルを加えてとても華やかです。険しい表情で、歯を食いしばって、難しいグランフェッテに挑む姿は、とてもさわやかで感動的です。
相手役は、平田貴義さん。谷桃子バレエ団のプリンシパルでダイナミックなソロのヴァリエーションが見事です。二人の息はぴったりで、とても素敵なパ・ド・ドゥです。
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私がとても大切にしているビデオの中のひとつです。
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