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キーロフの舞台裏(Backstage at the Kirov)      (2004.2.21)

キーロフの舞台裏(Backstage at the Kirov)というビデオがあります。パッケージには1983年制作とあります。
私たちは、舞台をいつも正面から見ているのですが、このビデオは、本番の舞台の背後にもカメラが入り、普通見られない光景も見られます。緞帳が上がる直前まで、トゥの履き心地を確かめるもの、足踏みをしたり、ぎりぎりまで身体をほぐしているダンサー、主役が踊っているときに、次が出番の舞台袖で待機している人たちの緊張した表情も写っています。
 
アスィムラートワ、メゼンツェワ、 ザクリンスキーの舞台や練習風景を中心に構成されていますが、コールドバレエの人たちやバレエスクールの練習風景も見られます。
とても興味深いのは、若いアスィルムラトワの映像です。「白鳥の湖」開演前、カメラはメーキャップ中のアスィルムラトワを捕らえます。この時彼女はまだ21歳で、コールドバレエの一員なのです。
続いて「白鳥の湖」の舞台。メゼンツェワ& ザクリンスキーが主役で、第二幕をたっぷりと見られます。舞台が終わってからの、舞台裏の様子が興味深い。舞台監督から「今日の舞台は最低だった」と言われ、主役を始め、出来の良くなかったダンサーが名指しで注意されています。これだけ厳しいから、良い舞台が出来上がるのでしょう。
 
メゼンツェワの「白鳥」の6週間後、アスィルムラートワが初めて「白鳥の湖」を踊ります。カメラはアスィルムラートワが主役として舞台に立つまでの様子を追っています。汗をにじませて、繰り返し繰り返しの基本の練習を繰り返す彼女。パートナーはザクリンスキー。当時もう結婚していたかどうかわかりませんが、ザクリンスキーとアスィルムラートワが、バレエ団の練習場に通う途中、彼女の肩に彼が腕をまわしたり、彼の腕に彼女が手をかけたり、仲むつまじい様子が写っています。
本番の舞台、初の主役にアスィルムラートワの表情は真剣そのものですが、ザクリンスキーの暖かいサポートを受けて無事に踊り終え、観衆の拍手に包まれます。
 
言語はロシア語が主ですが、英語字幕が入っていて、ロシア語がわからない私にもだいたい理解できました。80分位の比較的短いものですが、舞台で美しく舞うダンサーたちも、多くの苦しい練習を重ねているとくことがよく分かり、とても興味深い映像でした。

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