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バレリーナ「身体と心」 (2001.3.20)
とても面白い番組を見ました。
CSシアターテレビの『バレリーナ「身体と心」』です。
ナタリア・マカロアが、バレエの映像を紹介しながら、「バレエの身体と心」の関係を解説するというものです。
おそらく10年ほど前に撮影されたものと思います。
この中で、以下のような言葉が印象に残りました。
ベジャール:バレリーナは女神であって、この世の人であってはならない。
アシュトン:バレリーナに大切なのは、独自の世界を開くことです。
ジェローム・ロビンス:バレリーナは、超一流の芸術家です。
そしてマカロアが以下のように結んでいます。
バレリーナとは単にトゥで踊る人ではありません。
ダンスの真髄は形式された動きに伴う精神性にあります。だから素晴らしいのです。
バレエは身体の訓練だけではなく、心の鍛錬が大切だということでしょう。
前半は、「バレリーナ」の映像、そして、後半は、世界のバレエ学校の紹介と続きます。
ロシアのワガノワバレエ学校に始まり、英国、フランス・・・など、世界の主だったバレエ学校の授業の映像が次々と出てきます。
若いときのダーシー・バッセルの顔も見えます。
パリ・オペラ座バレエ学校で、ミテキ・クドウがレヴェランスのおじぎの仕方のレッスンを受けている場面があります。
レヴェランスは観客への感謝の表現。心を込めたおじぎの仕方を徹底的の教え込まれていました。
驚いたのは、バレエの映像の種類。さわりだけとはいえ、とても珍しい映像がたくさん紹介されていました。
ざっとあげてみますと、
アンナ・パブロヴァ:瀕死の白鳥
マカロワ:白鳥の湖〜パドドゥ
フォンティーン:ローズアダージョのバリアシオン
ハーヴェイ:パキータ〜
プリセッカヤ:せむしの子馬
マカロワ:ロミオとジュリエット〜バルコニーのパドドゥ
マカロワ:ドンキホーテ〜
マカロワ:ライモンダ〜
フラッチ:ラ・シルフィード
ギエム:グランパクラシック〜バリアシオン
スーザン・ジャフィ:ドンキホーテ〜
シブリー:シンデレラ〜
プリセッカヤ:ラウレンシア
イサベルゲラン:眠りの森の美女〜バリアシオン
ルグリとギエム:グラン・パ・クラシック〜アダージョ
と、こんな具合です。
この中で、ルグリとギエムのグラン・パ・クラシックは特に素晴らしく、貴重な映像だと思いました。
ルグリ、ギエムともとても若い。特にギエムの初々しさにはうっとりでした。
これまでギエムはテクニックを誇示するような感じがして、あまり好きではなかったのですが、この踊りは本当に丁寧で、とても素敵でした。またアダージョでのルグリのサポートもとてもいい感じです。デリケートに、しかもしっかりとギエムを支えています。
ギエムも安心してか、のびのびと踊っているようで、支えの手を離して抜群のバランスを見せました。アンオーまで上げた腕がまろやかで、とても美しかった。また、バリアシオンでは、テクニックの妙を見せてくれました。
実はこの番組、直前で番組表をみて気づきビデオをセットしたので、出だしの部分の録画が
欠けてしまいました。再放送してくれると有難いです。
CSシアターテレビジョンは、料金も比較的安く(月額900円)、結構、楽しいバレエ番組
を放送してくれます。バレエファンにとっては有難いことです。
それに引き換え、同じCSでも、クラシカジャパンの月額3,000円は高すぎる。
少し足せばビデオやDVDが買えます。こんな高い放送をいつも見ている人はよほどお金持ちなんでしょう。
せめて半額くらいにして、私たち庶民も楽しめるようにして欲しいですね。
CS衛星放送がバレエの放送に積極的なのには歓迎です。CSは有料放送ですが、見たい番組だけ選べばそれだけお金を払って見る価値はあると思います。
それに引き替え、NHKは、強制的に受信料を徴収しているのに、番組に魅力が少ないのは困ります。
かつてはもっとバレエ番組が多かった。プロデューサーが替わってバレエ番組が少なくなってしまったようです。
私は首都圏に住んでいるので、比較的バレエのステージを見る機会に恵まれているのですが、地方にも思うようにバレエのステージを
見ることが出来ない熱心なバレエファンも居られます。NHKは公共放送ですから、地方の方々が身近にバレエに触れられるよう、もっとバレエ番組を増やしてくれることを望みます。
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