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バレエの美神(華麗なるバレエ・ガラ・コンサート)    (2005.1.23改)

「バレエの美神」(華麗なるバレエ・ガラ・レエコンサート)というDVD映像があります。2003年2月にオーチャードホールで行われたバレエコンサートをNHKが BS-highで放送したのを録画したものです。 ハイビジョンの鮮明な映像で、華やかな踊りを楽しめます。
私は、バレエは全幕通して見るのが本来の姿と思っており、パドドゥ等のさわりのみを集めたバレエのガラ公演はあまり好きではありません。なぜなら、バレエの全幕のストーリーの流れに沿って、踊り手と観客が一緒に感動が高まっていくと思うからです。ですから、生では全幕の公演は良くいきますが、バレエのガラ公演は殆ど見に行っていません。
でも、ガラ公演のようなバレエコンサートを映像で鑑賞するのは一つの楽しみ方だと思います。市販のソフトを買ったり、テレビ放送を録画して、それを好きな時間に取り出して鑑賞するのはとても楽しいものです。 この「バレエの美神」も、ロシア中心のトップダンサー達が得意の演目を踊っていて、とても見ごたえがあります。
 
主な演目の感想を書きます。
(1)「眠りの森の美女」よりローズ・アダージオ
オーロラ姫は、エレーナ・エフセーエワ。とても若く初々しいバレリーナ。ただ16歳のオーロラ姫に必要な気品という面では、まだチョット?という感じです。 見せ場のアチチュードのバランスは、心許なく、握り締めていた王子の手をやっと離せたという感じでしたが、笑みを忘れて、必死にバランスをとっている気持ちが伝わってきました。
(2)「眠りの森の美女」よりグラン・パ・ド・ドゥ
オーロラ姫は、ディアナ・ヴィシニョーワ、王子はイーゴリ・コルプ
ヴィシニョーワはテクニックは完璧ですし、気品があるし、なによりもそのしなやかさ、華やかさ。 コルプは、手の差し出し方などマナーも柔らかく、優しい感じ。パートナーが華がありすぎのせいで多少影は薄かったですが、サポートもしっかりして見事な王子ぶりでした。
(3)「ロミオとジュリエット」よりバルコニーの場
スヴェトラーナ・ザハロワとアンドリアン・ファジェーエフという若いパートナー同士。 ザハロワは、もう少し少女っぽさ、初々しさがあっても良いかなと思いました。これは、髪型のせいかもしれません。 でも、踊りは、美しい動きで情感たっぷりでし、素敵でした。ファジェーエフ、踊りには力強さも感じられ、真摯な感じのロミオでした。
(4)「ドン・キホーテ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
エレーナ・フィリピエワのキトリ、デニス・マトヴィエンコのバジル。フィリピエワは、以前より少し太ったのかなと感じましたが、踊りは軽快でした。 アダージョでは、懸命に頑張ってバランスをキープ、拍手を誘いましたし、 グラン・フェッテでは、片手を腰に当てたままでダブルも織り込み、軸足は微動だにしないという妙技が見事でした。 マトヴィエンコは,超絶技巧が売りのダンサーではないようで、サポートのうまい、ダンスールノーブルという感じでした。
(5)「ラ・シルフィード」よりグラン・パ・ド・ドゥ
ナタリア・レドフスカヤは軽くふわっとして妖精そのもの。すっきり伸びたつま先のブーレ本当に美しかった。
(6)「シンデレラ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
オーレリア・シェフェールとクリス・ローラントによる、2幕のシンデレラと王子のパドドゥ。 シェフェールのシンデレラは、踊りは流麗ですが、なんとなく、野性的な雰囲気が感じられて、チョッと?。シンデレラの可愛らしい雰囲気が欲しかった。
(7)「牧神の午後」
プリセツカヤは,さすがに年齢は感じるもの、この存在感はさすがです。ジュドの牧神は、美しく品格があって、良い感じですが、ニジンスキーが踊ったという暑い夏の午後の気だるい感じ・・・とは違うようでした。
(8)「ライモンダ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
マハリナは、輝いて、素晴らしかった。たいへんな存在感で、大人の女らしさがあります。紺色のくっきりとしたチュチュがとてもよく似合っていました。
(9)「ジゼル」第2幕より
第二幕をたっぷりと見ることができました。ハートが、もうすばらしい。まさに精霊。踊っているというより漂っている感じ。小さな身体から滲み出たような、静かな、しかも強い愛の情感は、何百回もこの作品を踊る中で、到達した彼女の表現だろうと思います。
 
  「眠りの森の美女から“ローズアダージョ”」
     エレーナ・エフセーエワ
  「パドカトル」より
     オクサーナ・シェスタコワ、エレーナ・ハビブリナ、イリーナ・ベレン、オクサーナ・クチュルク
  「眠りの森の美女」よりグラン・パ・ド・ドゥ
     ディアナ・ヴィシニョーワ,、イーゴリ・コルプ
  「ロミオとジュリエット」バルコニーの場
     スヴェトラーナ・ザハロワ、アンドリアン・ファジェーエフ
  「ドン・キホーテ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
     エレーナ・フィリピエワ、デニス・マトヴィエンコ
  「ラ・シルフィード」よりグラン・パ・ド・ドゥ
     ナタリア・レドフスカヤ、イリア・クズネツォフ
  「シンデレラ」よりグラン・パ・ド・ドゥ
     オーレリア・シェフェール、クリス・ローラント
  「牧神の午後」
     マイヤ・プリセツカヤ、シャルル・ジュド
  「ライモンダ』よりグラン・パ・ド・ドゥ
     ユリア・マハリナ、デニス・マトヴィエンコ
  「ジゼル 第2幕から」
     コラリ&ペロー、イヴリン・ハート、ファルフ・ルジマートフほか
   レニングラード国立バレエ
  (指揮)アンドレイ・アニハーノフ(管弦楽)レニングラード国立歌劇場管弦楽団
   〜2003年2月16日、東京・オーチャードホールで録画〜

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