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ボスコフスキーのウィーンの舞曲   (2003.3.6)

毎年、新年の元日に、ウィーンでニューイヤーコンサートが開かれます。昨年は、小沢征爾、今年は、アンノンクールでした。
 
このコンサートは1941年に指揮者クレメンス・クラウスにより始められ、その後ウィリー・ボスコフスキーに引き継がれました。ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の主催で、ヨハンシュトラウス一家のワルツ、ポルカ、マーチを中心とし、楽友協会ホールで行われる演奏会です。
 
当時、ウィリー・ボスコフスキーは、ウィーン・フィルのコンサートマスターで、彼は、かつてヨハン・シュトラウスがそうだったように、自ら、ヴァイオリンを弾きながら指揮をしたということです。その姿は、絵の中のヨハン・シュトラウスが抜け出してきたと思われるほど、よく似ていると評判だったそうです。
 
ボスコフスキーは、英国デッカ社(ロンドンレコード)に、これらの多数のウィーンの舞曲の録音を残してくれました。1950〜60年代ですから、まだ、アナログ録音ですが、当時の英デッカ社の技術により、最新のディジタル録音にも匹敵する素晴らしい音質です。私は、アナログのレコードや4トラックステレオテープで いくつかのボスコフスキーの演奏を持っていますが、これらがCD化され、今も店頭に並んでいるのを見ると嬉しくなります。いつも聴いている私のCDは、6枚組みで、86曲を収録した海外盤ですが、半世紀も前の演奏とその録音が、少しも色あせず、現代にも受け入れられているということは素晴らしいことだと思います。
 
ボスコフスキーの指揮するワルツ、ポルカ、マーチは、きわめて明るく、熱情あふれる、生き生きとしたものです。リズムも、テンポの伸縮もはっきりしており、オーケストラを自発的に演奏させ、自らも、心から楽しんでいるという感じです。
これこそ、ウィーン・フィルとボスコフスキーならではの、ウィーンの魂の躍動であり、ウィーンの舞曲の真髄なのではないでしょうか。

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