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カーオーディオの音質改善   (2011.06.01)
新型プリウス(30型)に買い換えて8ヶ月ほど経ちましたが、特に感じているのが静粛性です。旧20型プリウスの時は、90キロを越えるあたりから騒音が大きくなり、クラシック音楽を聴きながら運転することの多い私には、ピアニッシモの部分が聴き取れず辛いものがありました。新型プリウスでは、エンジンが1.5Lから1.8Lになり、高速時の回転数が下がった為か、高速運転時でもかなり静かです。そのため音楽を聴きながらの高速道路の運転は、旧型以上に楽しさを覚えます。
そうなると欲が出てきて、カーオーディオの音が物足りなくなってきました。この車のカーオーディオは、カーナビと一体となって車にもとから付いているものなので、オーディオアンプを取り替えることは大掛かりな改造になるので諦めましたが、スピーカーだけなら交換可能だろうと、適当なものがないか探していたところ、DTECピュアサウンドシステムという製品を見つけました。
カーエレクトロニクス制作販売のAxis (奈良県)のOEMで、JBL製のセパレート2WAYスピーカー、クロスオーバーネットワークおよび制振材等、部品一式のキットです。純正スピーカーレイアウトや外観はそのままで、車両に一切の加工を施すことなく、スピーカーを交換でき、あわせてドアトリム内に制振材を詰めて不要な空気振動を抑え、各スピーカーの能率、正圧及び背圧をコントロールし、かつ過度な重量加算になって燃費悪化を招かないよう、制振材は最小限に抑えて最大のパフォーマンスを発揮できるよう考慮しているとのこと。具体的には、プリウスの、フロントドア、インパネ及びリアドアの合計6個の純正スピーカーのうち、フロントドア及びインパネの4個のスピーカーを交換し、専用のクロスオーバーネットワークを介してカーオーディオのアンプに接続することになります。
このプリウスを買ったディーラーで、このDTECピュアサウンドシステムを扱っていたので、朝車を預けて取り付けてもらいました。夕方車を受け取って初めて音を聞いたとき、「これは何んだ??」と驚きました。音がやけに小さくなっていたのです。スピーカーからは、CDなどの音楽の他、ナビの音声も出るのですが、すべての音量が交換前にくらべ極端に低くなりました。一方、リアドアのスピーカーは以前通り音でのままなので、フロントとリアのバランスが全く合わなくなってしまいました。今回付けたスピーカーの能率が、取替前のものに比べかなり低いようなのです。能率が3db違うと音量が2倍も違ってしまうので、これは家庭のオーディオセットでスピーカーを交換したときにもよくあることで、ある程度覚悟をしていたのですが、こんなに違うとは思いませんでした。おそらく3db以上低いのでしょう。仕方なく、カーオーディオのボリュームコントロールで前方スピーカーの音量を最大近くにして、前後の音のバランスをとりました。
 
さて肝心の音質ですが、これはとても良くなりました。明らかに音に透明感が出た感じが分かります。もともと乗用車の車内はCDなどの音楽の再生に適しています。適当に残響があって、音に包み込まれるような感じが室内楽のような小規模な演奏には合っています。DTECピュアサウンドシステムに替えたことで、クリアーな音質になった上に、音に程よい柔らさが加わり、ピアノや声楽が刺激的でないまろやかな感じになり、音楽を聴きながらのドライブが一層楽しくなりそうです。
 
ただ問題点もあります。スピーカーの音がかなり小さくなったので、ボリュームを以前の倍位まで上げなければ、まともな音量になりません。JBLのような海外の小型高級スピーカーは低能率で、とんでもないアンプのパワーを要求するものが多いのですが、アンプの出力を上げるには、アンプを駆動する電力量も多く必要になり、電力を供給する補機バッテリーの負担が気になります。ホームオーディオと違って、ことカーオーディオに関する限り、スピーカーには、能率を良いものを使うような配慮をして欲しいものです。
 
ちなみに、外された交換前の純正スピーカーを見て、あまりの貧弱さにビックリ。スピーカーのマグネットはちっぽけだし、フレームはプラスチックで作られていました。軽量化とコストダウンの為でしょうが、これでは良い音がでるわけはありません。車に付属しているスピーカーはこの程度のものなのかと改めて知った次第。スピーカーは、ただ音が出ればよいというだけでは困ります。スピーカーフレームにダイキャストの丈夫な素材を使用するなどして、しっかりとした音が出るようにしてもらいたいものです。

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