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オルフ作曲:カルミナブラーナ、小澤征爾指揮ベルリンフィル  (2006.9.1)

カルミナ・ブラーナ(Carmina Burana)は、バイエルンにあるベネディクト会のボイレン修道院で発見された詩歌集で、カール・オルフはこれを基にしてカンタータを作りました。オルフは「楽器の伴奏を持ち、舞台場面によって補われる独唱と合唱の為の世俗的歌曲(世俗カンタータ)」という副題を付け、前記の詩歌集から24曲を選び(内1曲はオルフの自作)曲を付けました。初演は1937年、フランクフルト歌劇場。
大規模なオーケストラに、混声合唱、少年合唱、ソプラノ・テノール・バリトンのソリストという大きな編成と、シンプルな和音及び強烈なリズム、酒や男女の睦み合いを歌った詞など、19世紀の古典派やロマン派の音楽とは全く作風を異にする20世紀の楽曲です。
なお、副題にあるように、本来は舞台上で舞踊手が音楽を表現する独唱と合唱の作品で、踊り手を伴わない演奏会形式は略式であり正規の姿ではないとされています。
 
小澤征爾指揮ベルリンフィルによる「カルミナブラーナ」の映像があります。踊り手を伴わない演奏会形式です。
この演奏は1989年のベルリン・フィルハーモニー・ホールにおけるジルベスターコンサートのライブで、キャスリーン・バトル、フランク・ロパード、トーマス・アレン、晋友会合唱団による演奏です。 若い小澤征爾が、ピョンピョン飛んで見たり、指揮棒を自由自在に操る姿は、まさに現代を代表する指揮者ならではのものですが、 なんと言っても、関屋晋(2005/4逝去)が常任指揮者をつとめた晋友会合唱団という日本のアマチュア合唱団が、本場でドイツの作曲家作品をドイツ語暗譜で歌いきった素晴らしいドキュメントであったことに最大の価値があると思います。 全編に漂う緊迫感、小澤さんの正統的でかつ情熱的な説得力のある解釈、共演者の熱演で、感動が曲が進むにつれて高まっていきます。

  独唱:キャスリーン・バトル、フランク・ロパード、トーマス・アレン
  晋友会合唱団、ベルリン・シュターツ & ドム少年合唱団
  小澤征爾指揮、ベルリン・フィルハーモニー管弦楽団
  1989年12月31日、ベルリン・フィルハーモニー・ホール

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