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東京シティバレエ団の「コッペリア」 (2002.5.25)
バレエ「コッペリア」は、レオ・ドリーブの作曲。美しい音楽が一杯です。序曲、スワニルダのワルツ、時の踊り、マズルカ・・・・ほのぼのとしていて、牧歌的な雰囲気で、音楽だけ聴いても楽しくなります。
この横須賀市文化会館の東京シティバレエ団の公演は、「親子劇場」ということで、親子づれがたくさん来きてました。
主役の志賀育恵さんは、小柄でスワニルダにぴったり。フランツに焼きもちを焼くシーンやコッペリアに成りすますシーンの演技はとても可愛らしくて良かったです。最後のグラン・パ・ド・ドゥは、可愛らしさに加えて、ちょっと大人になったスワニルダを感じさせました。育恵さんの踊りは、とても丁寧。フェッテもスピードでぶん回すというような派手な踊りをしませんが、これがかえって微笑ましさを感じさせ、結婚式の幸せな気分を高め、とても良い感じでした。
フランツ役のEmberwillsさんの心のこもったサポートに、育恵さん、伸び伸びと踊っていました。私は、彼女を観たのは初めてですが、軽やかで、繊細で、正確で、しかも、表情がとても豊かで、ほんとうに素敵なダンサーだと思いました。今年度(2002年)の橘秋子賞・奨学金支給者に選ばれたのもうなずけます。
最後のカーテンコールで、花束を受け取るとき、「自分が受け取って良いのかしら?」、というように、一瞬、ためらいながら、受け取った姿は、本当に、可愛らしく感じました。ホッとした、満面の笑みが素敵でした。
東京シティバレエ団のこのステージは、比較的こじんまりとしている感じですが、ダンサーの気合バッチリという感じで、とても気持ち良いものでした。
ただ、皆さん、この作品の振付を踊りきるのが精一杯、という感じを受けたことも確かです。もっと、踊りこなして、もっともっと素晴らしいものとして欲しいものです。
それから、「親子劇場」ということで仕方がないところはありますが、客席が騒々しすぎます。これでは、ステージのダンサーが可愛そう。アダージョで神経を集中して懸命に踊っている二人の前で子供ががやがや・・・。
踊っている方だって良い気がしないでしょう。
安い入場料で、子供達にバレエを知ってもらおうという「親子劇場」の意図することはわかりますが、やはり、いくら子供達と言っても、バレエ鑑賞の最低のマナーを守って欲しいものです。バレエは、芸術なのですから・・・・。
音楽: レオ・ドリーブ
スワニルダ:志賀育恵 、フランツ:Emberwills、コッペリウス:金井利久
【第1幕】
とある小さな町、若い恋人達、フランツとスワニルダがおりました。
しかし、フランツは、その町の人形師コッペリウスの家の2階に見かけた美しい娘に
心を奪われてしまってました。
その娘コッペリアは決して外に出て来ず、2階の窓際で読書する姿を垣間見せるのみです。
フランツは、毎日その家の前を通っては、心躍らせていました。
【第2幕】(第1場)
ある夜、フランツは、コッペリウスの家に忍び込みます。
そして・・・、家の主人コッペリウスに見つかってしまいます。
コッペリウスは、自分の作品・人形コッペリアにほんものの生きた人間の
命を吹き込もうと、フランツをもてなします。
フランツはコッペリウスに盛られた薬によって意識を失ってしまいます。
コッペリウスは、魔術書を片手に、フランツからコッペリアと魂を移そうとします。
スワニルダがこの家に忍び込んで、コッペリアが人形だと知ります。コッペリアの服を着たスワニルダは、コッペリアになりすまして、コッペリウスの意図通りに、はじめはぎくしゃくと次第になめらかに動き出します。
コッペリアに魂が移ったと大喜びのコッペリウス。しかし、スワニルダのコッペリアの踊りは次第に気まぐれに、大胆に、そして・・・・・ついには、さわぎ、壊し、人形師の仕事場をめちゃくちゃにしてしまいます。
そして、スワニルダは、半狂乱になった人形師を後に残して、意識を取り戻したフランツを無事に連れ帰っていきます。
【第2幕】(第2場)
町の祭りの日。この祭りは領主が時刻を告げる鐘を町に寄贈する式典です。
この日に結婚する男女は、領主から祝福される日でした。
フランツとスワニルダは、晴れて恋人同士として、祝福を受け、二人は結婚の踊りを踊って応えます。その後、宴は続き、盛り上がったまま幕を閉じます。
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