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むなしささえ感じるMPUのスピード競争(その2)
インテルとAMD(アドバンスト・マイクロ・デバイス)がMPU(超小型演算処理装置)のスピード競争が再燃してきました。
主戦場は動作周波数1Gヘルツなどの高性能品です。
MPUは7〜8割のシェアを握る巨人インテルに、AMDが割安さを武器にシェアを奪おうというのがこれまでの図式。
ここに変化が起きたのが今年3月。
3月6日、AMDが1Gヘルツ版MPU「アスロン」の出荷をいち早く開始しました。先手を打たれたインテルも、今年後半に出荷予定であったペンティアムVの出荷を3月8日に繰り上げました。しかもAMDのアスロンより23%安い価格で。しかし量産体制が整っていなかった為に実際にパソコン専門店などの市場に登場したのは7月でした。
開発競争でリードしたAMDは1Gヘルツ品の量産競争でも先行。8月に22〜28%の値下げを実施しました。
御互いに威信をかけてギガヘルツ競争を譲らない感じです。
現在は通信回線速度の方がはるかに遅く、インターネットではいくらMPUが速くても、回線速度に押さえられてしまいます。
それでもインテルとAMDが譲らないのは、MPUのスピードイコール高級機というイメージを失わないためだと思います。
インテルは今年後半には1.5ギガヘルツの「ウィラメット」、サーバ向けに64ビット「アイテニアム」の出荷をし、AMDも「アスロン」の量産体制を整えるとのことです。
インテルにはAMDに次ぐ新たな敵も現れました。米ベンチャーのトランスメタは消費電力を抑えた「クルーソー」を投入。ノートパソコンや携帯端末のバッテリー寿命が2〜3倍長くなるといい、富士通、NEC、ソニーなどが、ノートPC用に採用を決めました。
このスピード競争、はてしないむなしさすら感じます。
でも消費者からすれば、一世代前の機種の値段が下がるので歓迎すべきことかもしれません。
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