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「誰でもピカソ」の上野水香         (2003.11.21)

上野水香さんが、北野武の「誰でもピカソ」に出演されていました。この日は、「世界が絶賛したクラシック界の女神たち」という副題で、ソプラノ歌手・増田いずみ、ヴァイオリニスト・奥村愛も出演。でも、主役は、上野水香さん。二人は、水香さんの引き立て役のような感じでした。
 
冒頭は、「黒鳥のヴァリアシオン」。踊り終わった水香さんに、司会の渡辺満理奈が、「汗びっしょりで、息を切らして・・・」と尋ねられて、「とても辛いです」と思わず本音、とても可愛らしく感じました。このほかに「ローズアダージョのプロムナード」、「黒鳥のグランフェッテ」など、すごいサービス。相当ハードだったと思います。
驚いたのは、北野武、今田耕司、篠原勝之とのプロムナードのバランス。三人の頼りないサポートに、相当苦労しながらも、独り立ちのとき、しっかり手をアンオーまで上げていたのは凄い。途中、あまりにひどいサポートにバランスを崩しかけ、思わず「キャー」と叫びながらも、必死に堪えてバランスを維持し、最後に思い切り長〜いバランスを決めて思わずにっこり、感激しました。最後に黒鳥の32回のグランフェッテ。ダブルも加えると37回、余裕でした。
 
「踊る芸術」、「人間の体が持つ無限の可能性」というナレータの言葉に、「自分のできるベストを尽くすこと。それからしか始まらない」、バレリーナに必要なのは「美しいものを美しいと感じる感性」と彼女。 また、最後に一言と言われて、「バレエで全身を使ってすべてを表現していたつもりだったのが、増田いずみが自分のできない声で勝負するのは凄い、奥村愛のヴァイオリンから音を肌で感じて、勉強になった」と、 共演者への気配りを忘れない水香さんの優しさ、とても爽やかに感じました。
抜群の柔軟性や平衡感覚という生来の資質や技術だけでなく、人間的にも新鮮な魅力に溢れた上野水香さん。惚れ惚れしてしまいました。

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