|
素晴らしいアルバムを超廉価で手に入れました。
「ドイツ・ハルモニア・ムンディ/モーツァルト作品名演集」というCD10枚のボックスです。
購入価格は3000円弱ですから、CD1枚あたり、300円ということになります。
ドイツ・ハルモニア・ムンディ(DHM)のレコーディングの中から、モーツァルトの名演を集めたもので、録音は1969〜1986年ですから、
大部分はアナログ録音ですが、一部ディジタル録音もあります。
|
中心は、コレギウム・アウレウム合奏団。10枚のCDのうち7枚がコレギウム・アウレウムの演奏です。
コレギウム・アウレウムは、ドイツのハルモニア・ムンディの録音のために組織された合奏団で、
ラテン語で「黄金の楽団」という意味です。ドイツのシュヴァーベン地方にあるフッガー城の糸杉の間を主な録音会場としており、
そのホールの構造が黄金分割になっているところから付けられたとのこと。
メンバーはバッハ時代の古楽器もしくは忠実なコピー楽器を用いていて、古楽オーケストラの草分け的存在で、
バロック音楽を中心に幅広いレパートリーで知られています。
フッガー城糸杉の間の豊かな残響に包まれた、ふくよかでロマンティックな響きのモーツァルトの管弦楽曲や交響曲は、
さながら往時の宮廷での演奏のような感じです。
|
「モーツァルトの協奏曲21番と27番」では、イェルク・デムスが、当時のフォルテピアノを演奏しています。
フォルテピアノ(ドイツ語でハンマーフリューゲル)は革で覆われたハンマーをもち、チェンバロに近い細い弦が張られていて、
音域ごとにそれほど大きく違いがない現代のピアノ(ピアノフォルテ,モダンピアノ)に比べて、低音域は優雅で、高音域は輝くような音色、中音域は丸い音色と言われています。
デムスは、フォルテピアノの演奏に精通していたそうで、この二つの協奏曲もデムスの持ち味と実力が見事に発揮されているようで、とても美しい演奏です。
また、「レクィエム」は、ヴィオラを演奏しているフランツ・バイヤーによる補筆版で、テルツ少年合唱団の澄んだ歌声が美しく、
ソロもボーイ・ソプラノ、ボーイ・アルトで歌っており、モーツァルトが思い描いていた死者のための音楽の音の響きや音色はこうなんだろうなと思われる演奏です。
このアルバムには、コレギウム・アウレウム以外にも、スミソニアン博物館の楽器を使用した協奏交響曲変ホ長調や、
ヴァイオリンのシュレーダーとフォルテピアノのインマゼールによるヴァイオリンソナタ、
モーツァルト・トリオの演奏したピアノ三重奏曲第1番など、古楽器による興味深い演奏が含まれています。
ドイツ・ハルモニア・ムンディ/モーツァルト作品名演集
Disc1
・協奏交響曲変ホ長調 K.364、・2つのヴァイオリンのためのコンチェルトーネ ハ長調 K.190
スミソニアン・チェンバー・プレイヤーズ、マリリン・マクドナルド(ヴァイオリン、ヴィオラ)、
ヤープ・シュレーダー(ヴァイオリン、指揮) Disc2
・ディヴェルティメント第10番ヘ長調 K.247、・ディヴェルティメント第7番ニ長調 K.205、
・セレナード第13番ト長調 K.525『アイネ・クライネ・ナハトムジーク』 コレギウム・アウレウム
Disc3
・交響曲第33番変ロ長調 K.319、・交響曲第35番ニ長調 K.385『ハフナー』、
・交響曲第36番ハ長調 K.425『リンツ』 コレギウム・アウレウム
Disc4
・交響曲第38番ニ長調 K.504『プラハ』、・交響曲第39番変ホ長調 K.543、
・ヴァイオリンと管弦楽のためのロンド ハ長調 K.373 コレギウム・アウレウム、フランツヨーゼフ・マイア−(ヴァイオリン)
Disc5
・交響曲第40番ト短調 K.550、・交響曲第41番ハ長調 K.551『ジュピター』
コレギウム・アウレウム
Disc6
・セレナード第10番変ロ長調 K.361 (370a)『グラン・パルティータ』
コレギウム・アウレウム団員
Disc7
・ヴァイオリン・ソナタ第32番ヘ長調 K.376、・ヴァイオリン・ソナタ第24番ハ長調 K.296、
・ヴァイオリン・ソナタ第33番ヘ長調 K.377 ヤープ・シュレーダー(ヴァイオリン)、ジョス・ヴァン・インマゼール(フォルテピアノ)
Disc8
・ピアノ協奏曲第21番ハ長調 K.467、・ピアノ協奏曲第27番変ロ長調 K.595
イェルク・デムス(フォルテピアノ)、コレギウム・アウレウム
Disc9
・レクィエム ニ短調 K.626(バイヤー版)
テルツ少年合唱団員:ヴェルナー・クレン(テノール)、バリー・マクダニエル(バス)、テルツ少年合唱団
コレギウム・アウレウム
ゲルハルト・シュミット=ガーデン(指揮)
Disc10
・クラヴィーアとヴァイオリンとチェロのためのソナタ K.10-15、・ピアノ三重奏曲第1番変ロ長調 K.254
ザルツブルク・モーツァルト・トリオ:スティーヴン・ツェール(フォルテピアノ)、
アンネグレート・ディートリヒセン(ヴァイオリン)、マックス・エンゲル(チェロ) (録音:1969〜1986年)
|
|