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ディズニー映画「ファンタジア」の素晴らしさ   (2019.5.16)

ファンタジアは1940年に作られた音楽映画です。この映画はカラー初期のアニメですが、驚くほど鮮やかな色彩と音楽だけで台詞がないというユニークな発想の作品です。 演奏はストコフスキー指揮、フィラデルフィア管弦楽団という豪華版。曲は、バッハ・トッカータとフーガ ニ短調、チャイコフスキー・バレエ曲「クルミ割り人形」から「花のワルツ」、デュカ「魔法使いの弟子」、ストラビンスキー「春の祭典」、ベートーヴェン「交響曲第六番 田園」、ポンキュエリ「時の踊り」、ムソルグスキー「禿げ山の一夜」、シューベルト「アヴェ・マリア」と多彩です。 日本での初公開は1950年。以後数年ごとに公開されてきましたが、1990年にネガから大修復がされた現在の版になったそうです。 私が映画館でこの映画を見たのは、数十年前の学生時代。大修復前の版ですが、それでも、とても面白く感動したのを記憶しています。
LPモノラル・レコードの実用化が1954年、ステレオレコードが1959年とのことなので、ファンタジアが作られた1940年当時は、一枚が5〜6分のSPレコードの時代です。こんな時代にステレオ音響の音楽映画ができていたのには驚きです。 台詞や効果音は一切なく、音楽を視覚化してアニメ化した映画です。 『音楽家の解釈ではなく、聴く人である私たちが音楽にインスピレーションを得て空想を自由に働かせ、めいめいの心に美しいファンタジーを描き出したのです』とウォルト・ディズニーは言ったそうですが、その言葉の通りの作品です。 この作品は100人を超えるオーケストラ、1000人を超えるスタッフが製作に関わったそうで、膨大な製作費用がかかった上、当時ステレオ音響の映画を公開できる映画館が少なく、公開当初は大幅な赤字だったそうです。 しかしディズニーは『私が死んでからもずっと楽しんでもらえる作品だ』と言って思い入れがあっただけに、公開から30年後の1970年代に見事に赤字を解消したということです。
先にも述べた通り、この映画は元のネガから、最新の技術によって大修復され、より美しい色彩と迫力ある音響で蘇りました。またビデオ化もされて、家庭に居ながらにして、好きなときに楽しめるようになったのは本当に素晴らしいことだと思います。

先日放送された、NHKの朝ドラのなつぞらに、アニメーターを目指すヒロインのなつ(広瀬すず)が、映画ファンタジアを見て感動するシーンがありました。→こちら
これを見て、私も、もう一度見たくなりました。そこでインターネットを検索していたら、1990年にネガから大修復がされた新版のDVDがインターネットオークションに出品されていました。 早速購入しDVDプレーヤーで再生したところ、ディスクには全く傷もなく、映像音声とも美しく、楽しく鑑賞できました。素敵なDVDを安価で手に入れることができたのは幸運でした。 譲って下さった方に感謝です。

    製作スタッフ
    製作・監督:ベン・シャープスティーン
    脚本:ジョー・クラント、ディック・フューマー
    音楽:エドワード・H・プラム
    音楽録音編集:スティーブン・シラッグ
    録音:ウフィリアム・E・ギャリティ
        C・O・スライフィールド
        J・N・A・フォーキンズ
    解説:ディームス・テイラー
    演奏:フィラデルフィア管弦楽団
    指揮:レオポルド・ストコフスキー

Fantasiaの一部「魔法使いの弟子」(YouTubeより)

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