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モーツァルト:歌劇「劇場支配人」K.486     (2005.4.10)

モーツァルトは、1786年、歌劇の大作「フィガロの結婚」作曲な合間を縫って、1幕の小さな音楽付き喜劇、「劇場支配人」を作曲したそうです。小さいながらも、序曲を含め5曲からなる堂々たる「オペラ」です。 この曲は、当時の皇帝ヨーゼフ2世から、オランダ総督アルバート公来訪を祝して、シェーンブルンのオランジュリーでおこなわれる祝祭のために、依頼されて作曲したものですが、 この祝祭には、サリエリ作曲のイタリア歌劇「まずは音楽、おつぎが言葉」が上演され、ヨーゼフ2世はドイツとイタリアの音楽劇を対抗させようしたようです。
 
物語は、劇場支配人がザルツブルクでの興行の為に、劇団を作ろうと計画しているところから始まります。自薦、他薦の俳優や歌手がやってきてテストが始まりますが、二人の歌手が、「自分こそプリマ・ドンナ」と言い争いになります。男性歌手が仲裁に入りますが、双方全く譲りません。
劇場支配人は、あまりの騒ぎに嫌気がさして、劇団づくりの中止を宣言します。驚いた歌手たちは、慌てて自分の主張をひっこめ、それぞれが「芸術家の立場」を自分なりに説明し、やがて皆が和解し、めでたしめでたしとなり幕を閉じます。
 
序曲は、クラリネット2本、ファゴット2本を含む2管編成。ソナタ形式の軽快な美しい曲です。
第1曲は、歌手ヘルツ夫人(ソプラノ)のアリア。短調のラルゲットから、後半はアレグロ、コロラトゥーラ調となります。
第2曲は、歌手ジルバークラング嬢(ソプラノ)のロンド。アンダンテで歌い始め、アレグレットのコロラトゥーラで終わります。
第3曲は、三重唱。二人のソプラノが喧嘩を始め、男性歌手フォーゲルザング(テノール)が仲裁に入ります。
第4曲は、芸術のために和解し、みんな一致協力しようと、ジルバークラング嬢〜4人〜フォーゲルザング〜4人〜ヘルツ夫人〜4人と進み、最後に俳優ブッフ(バス)も加わり、大団円となります。

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