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ジゼル:カルラ・フラッチ、エリック・ブルーン    (2003.9.6)

古典バレエの代表作として幾度となくかけられている「ジゼル」。主役ジゼルを踊るカルラ・フラッチは、1936年ミラノに生まれ、スカラ座バレエ団の宝として活躍しました。フラッチは1967年から72年にかけてアメリカン・バレエ・シアターのゲストプリンシパルとして踊っていましたが、この映像はその時代のフラッチの全盛期に収録されたものです。
 
19世紀最大の舞姫であったイタリア人のマリー・タリオーニは「麦畑の上を歩いて1本も折らなかった」とまで称えられたそうですが、同じイタリア人のフラッチにも、あたかも重量 から解放されたかのような軽やかさが観られます。
第一幕、無邪気で快活なジゼルと錯乱するジゼルという2つの性格を踊るには、単なる技巧だけでは表現しきれず、その意味からも優雅で気品あふれるフラッチは、理想的なジゼルでしょう。
そして第二幕、細く長い手脚をやわらかく使った透明感あふれる踊り、上品な仕草、黒い瞳と髪の醸し出すエキゾティシズム、「ラ・シルーフィード」「ジゼル」といった妖精もののロマンティック・バレエのヒロインにまさにふさわしく、これほどの適性を備えたダンサーは今後出現しないのではないかとさえ思わせます。
 
この映像は、劇場のライブではなく、鑑賞目的で撮られたもので、アップも多く、ダンサーの表情も良く見えます。ただ、カーテンコールや間における拍手はなく、淡々と物語が進んでいくのは、ちょっと違和感があります。ただ、30年以上前の映像にしては、映像がとても綺麗です。 私が持っているのはLDですが、もう販売していません。DVDが一時出たようですが、今は販売していないようです。 DVDの再発売が望まれます。
なお演奏は、ジョン・ランチベリー指揮、ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団演奏。デイヴィッド・ブレアーが振付を担当しています。
 
バレエ「ジゼル」
   ジゼル…カルラ・フラッチ、アルブレヒト…エリック・ブルーン
   ヒラリオン…ブルース・マークス、ミルタ…トニ・ランダー
   ペザント・パ・ド・ドゥ…エレアノール・ダントゥオノ&テッド・キヴィット
   他アメリカン・バレエ・シアター、振付:デイヴィッド・ブレアー
   ベルリン・ドイツ・オペラ管弦楽団、指揮:ジョン・ランチベリー

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