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バレエソフトのコレクション紹介
 
ジゼル: グラチョーワ・ウヴァーロフ   (2003.6.1)

今やボリショイの大黒柱グラチョーワ。彼女が踊ったジゼルがあります。彼女の並外れて柔軟な肢体は、ジゼルやラ・シルフィードのような妖精ものにふさわしいのでしょう。このジゼルでも、第二幕が際立っていました。
長い手足を存分につかったしなやかな踊りで、難しいポジションをサラリとこなす高度なテクニックをもちながら、このテクニックが少しも鼻につかず、上品そのもの。感情が心の中に染み込んでくるような静かな表現は、これぞクラッシック・バレエと思わせます。フワッとして精霊そのもの。超人的なテクニックで、透き通るような美しさと、はかなさ・・・・・。後方に足を上げたアラベスクで、ゆっくりと回っていく場面、軸足の下に回転台があるのかと思わせるほどなめらか。伸ばした手足が全くぶれません。うっとりでした。 踊り始めるまでの立っている姿さえも美しく、一つ一つの動きが正確に微動だにせず決まり、この世のものではない存在としてのウィリを踊りの中ではっきりと感じさせてくれています。
一方、第一幕狂乱の場では、感情表現もとても豊かで、鳥肌が立つような強烈な表現力に驚かされます。グラチョーワは振付が表現的になるほど輝くバレリーナのような気がします。
 
ボリショイ劇場管弦楽団の演奏も、本領発揮の迫力の演奏、舞台をより盛り上げる感じがします。バレエの演奏というと、いつもなんだか物足りなくて、添え物みたいな演奏が多いのですが、演奏の方も満足でした。
 
[出演]ナデジダ・グラチョーワ(ジゼル)
   アンドレイ・ウヴァーロフ(アルブレヒト)
   ボリショイ・バレエ団
[振付]ジェーン・コラリ、ジュール・ペロー、マリウス・プティパ
[収録]1995年ボリショイ劇場 

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