【トップページへ戻る】

チューリッヒ歌劇場の「ヘンゼルとグレーテル」  (2003.12.6)

クリスマスになると、欧米の子供たちは、オペラ「ヘンゼルとグレーテル」とバレエ「くるみ割り人形」を観て楽しい時を過ごすといいます。日本でも、今年も、バレエ「くるみ割り人形」は、多くのバレエ団がとりあげ、12月の土日は、東京近辺のどこかの劇場で「くるみ割り人形」が上演されているというほどになりました。でも、オペラ「ヘンゼルとグレーテル」は、日本では、それほどポピュラーではありません。
 
「ヘンゼルとグレーテル」は、グリム童話をもとにして作られたオペラです。おとぎの国に迷い込んだヘンゼルとグレーテルが繰り広げる物語に、フンパーディンクが曲をつけた、夢いっぱいのメルヘンの世界です。フンパーディンクは、ワーグナーの音楽をしっかりと継承し、メルヘンに題材を求めているものの、堂々たるオペラにしています。
 
このオペラには数々のCDの名演奏がありますが、今回、若き音楽監督ヴェルザー=メストの指揮によって、とても素敵なDVDが誕生しました。柔和なファンタジーと奥行きのある響きに乗せて、楽しく幻想的なメルヘンの世界を堪能でき、子供だけに留まらず、大人も一緒に楽しめるクリスマス作品になっています。
ハルテリウス、ニキテアヌ演ずる兄弟の愛らしさ、絵本作家センダックと演出家コルサロのコンビが、幻想的なメルヘンの世界に誘ってくれます。豪華な舞台装置にはうっとりです。一度見終わっても、また見たくなるという、素敵な演奏です。
 
歌劇「ヘンゼルとグレーテル」
ヘンゼル:リリアーナ・ニキテアヌ
グレーテル:マリン・ハルテリウス
魔女:フォルカー・フォーゲル
指揮:フランツ・ヴェルザー=メスト
演奏:チューリッヒ歌劇場管弦楽団
1998年チューリッヒ歌劇場

【トップページへ戻る】