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カナダ国立バレエ「火の鳥」   (2003.7.20)

「火の鳥」は「ペトルーシュカ」,「春の祭典」と合わせて、ストラヴィンスキーの3大バレエと呼ばれますが、日本では、他の二作に比べ、上演される機会は少ないようです。
NHK BSUで、この「火の鳥」の珍しい映像を見ました。カナダ国立バレエ出演によるものですが、劇場での公演ではなく、映像用にスタジオで撮影されたようで、特殊撮影で「火の鳥」は実際に空を飛び、SF映画を見るような、奇抜な演出に驚かされます。
火の鳥役のグレタ・ホジキンソンはすらっとして長い手足が美しく、とても軽快な踊りでした。とても体が柔らかそうで、アラベスクでは、足を後方に軽々と180度まで上がります。それに表情がとても豊か。王子に捕らえられ、「放してください」と哀願するところの悲しそうな表情に、すぐに放してあげたくなってしまいそう。 また、イワン王子との踊りでは、リフトを多用し、特殊撮影の効果もあいまって見ごたえがあります。ただ、火の鳥の衣装が今一で、鳥のようではありません。火の鳥のイメージを出すには、映画「ロイヤルバレエ」のマーゴ・フォンティーンのように、真っ赤なクラシック・チュチュのほうが相応しいと思いました。
映像は極めて鮮明で美しく、踊り手の動きは良くわかりますし、音もとても綺麗でした。
 
ストラヴィンスキー作曲 火の鳥
火の鳥:グレタ・ホジキンソン、
イワン王子:アレクサンダー・アントニジェヴィック
ワシーリサ王女:レベッカ・リムセイ
魔王:レックス・ハリントン
演出・振付:ジェームス・クデルカ
キーロフ歌劇場管弦楽団
指揮:ワシリー・ゲルギエフ
2002年9月 カナダスタジオ収録

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