バレエ『パキータ』原型は、19世紀パリオペラ座の振付師ジョゼフ・マジリエが人気バレリーナ、カルロッタ・グリジの為に作ったものだそうですが、プティパがこれをお気に入りのバレリーナ、エカテリーナ・ヴァーゼムの為に改変したそうです。
ソリストのヴァリエーションもふんだんに取り入れられ、 主役のバレリーナが踊るエトワールのヴァリエーションと並んで見ごたえがあります。
パキータ第一バリエーション:「ナイヤードと漁師(オンディーヌ)《の中の踊りとして、ミンクスが追加したヴァリエーション パキータ第二バリエーション:プーニ「カンダウル王《から主役ニシアのヴァリエーション パキータ第三バリエーション:バレエ・リュスの演目「アルミードの街《からチェレブニン作曲、フォーキン振り付けのヴァリエーション パキータ第四バリエーション:ユーリー・ゲルベル作曲「トリリビ、またはかまどの精《からのヴァリエーション パキータの第2ヴァリエーションは、第1ヴァリエーションに比べると、派手さは少なく、ゆっくりでしっとりした踊りですが、ポアントで立ったアラベスクのポーズが多く、 舞姫の体形の美しさを表現するには打ってつけの踊りですが、遅いがゆえにミスも目立ちやすく至難な踊りとされています。 それゆえ、第1ヴァリエーションほど、コンクールには取り上げられることは少ないようですが、。 第1ヴァリエーションと同様、「Fermata(静止)Val《とも言われて、脚は上がるだけ上げ、バランスはためるだけためて・・・とされていエカルテ・ドゥヴァン・デヴェロッペのバランスが見ものです。 これでもかという位高く脚を上げ、バランスを懸命に堪えて静止した舞姫の姿に、観客はうっとりとして思わず賞賛の拍手を贈ります。
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とても素敵なパキータ~第2ヴァリエーションの映像が、YouTubeに載っていました。
踊っているのは、カン・ホヒョン(강호현 Hyo-hyung Kang)。
Korea National University of Artsを2010に卒業し、
Korea National Ballet)に入団し、階級はCorps de balletのようですから、若い新進のダンサーなのでしょう。
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カン・ホヒョンは、背が高く、手足が長く、抜群のプロポーション。
力を入れて曲げたら折れてしまうのではと思わせるほど、ほっそりとした華奢な体型、
それでいてギスギスした感じではなく、楚かつ理知的な雰囲気。伸びやかなつま先、叙情的な表現で、
バレリーナの資質をすべて備えていると言えそうな美しい舞姫です。
端正・丹念な踊りで、派手さはないけれど、素敵なバレリーナです。
とりわけ伸びやかな爪先が美しい。クラシックバレエのポアントで立つバランスの技法は、彼女の為にあると思えたくらい。
カン・ホヒョンは体が柔らかいようで無理なく脚が上がる。
ここまで高く、楽々と自然に脚が挙がるのは股間接が完全に開く証拠。完璧なアン・ドゥオールが身についているのでしょう。
爽やかな首筋、しなやかな腕、まろやかな曲線を描く甲、優雅に揺れる短いチュチュからすっきり伸びた美しい脚、時折コトンと軽やかに響くトゥシューズの音が心地よい。
ハイレグ気味にカットしたツンが一層脚を長く見せ、ほのかな色気が漂う。まさにクラシックバレエの人形です。
やや上安定に感じるバランスのポーズもあったけれど、懸命に頑張る姿が却って健気に見えて応援したくなった。踊り終わって、沸き起こる拍手の中のレヴェランス。ホッとした微笑みが美しかった。これからが楽しみなバレリーナです。
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2017 Korea Ballet -K-PROBA 대학일반부 여자클래식발레 최우수상 파키타 강호현
College General Women's Classic Ballet award Paquita Kang Hyo-hyung
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