とても素敵で微笑ましい、眠りの森の美女~第3幕グラン・パ・ド・ドゥの映像が、YouTubeに載っていました。2014年6月のバレエフェスティバルでのガラのようです。
オーロラ姫は、カン・ホヒョン(강호현 Hyo-hyung Kang)。
Korea National University of Artsを2010に卒業し、
Korea National Ballet)に入団し、階級はCorps de balletのようですから、若い新進のダンサーなのでしょう。
王子のチェ・ウォンジュン(최원준 Choi Won Jun)は、フリーのダンサーのようです。
|
カン・ホヒョンは、背が高く、手足が長く、抜群のプロポーション。
力を入れて曲げたら折れてしまうのではと思わせるほど、ほっそりとした華奢な体型、
それでいてギスギスした感じではなく、楚かつ理知的な雰囲気。伸びやかなつま先、叙情的な表現で、
バレリーナの資質をすべて備えていると言えそうな美しい舞姫です。
派手さはないけれど、端正・丹念な踊りで、私の抱いているオーロラ姫のイメージにぴったりのバレリーナです。
とりわけ伸びやかな爪先が美しい。クラシックバレエのポアントで立つバランスの技法は、彼女の為にあると思えたくらい。
カン・ホヒョンはアラベスクパンシェだけでなく、グラン・バットマンやエカルテ・ドヴァンなどでも、無理なく高く脚が上がる。
ここまで高く、楽々と自然に脚が挙がるのは股間接が完全に開く証拠。完璧なアン・ドゥオールが身についているのでしょう。
|
残念だったのは、見せ場の3回のフィッシュダイブを省いてしまったこと。これは手抜きのようで頂けない。
フィッシュダイブは、男性とのタイミングがずれると落下にもなりかねない危険な技ですが、それだけに腕の見せ所。果敢に挑戦して欲しかった。
それにアダージョ終盤近くのプロムナード後の右手を男性に支えて貰うアラベスクパンシェは少し苦しそうだった。支えの腕がギクギク揺れてバランスをとるのに精一杯という感じでした。
それでも頑張って150度位まで脚をあげたのは立派でしたが、もう少し堪えて長くバランスを保って欲しかった。
アダージョのフィニシュでのリフトの後のフィッシュ・ダイブは、二人が完全に結ばれて一つになったことを表現するこのポーズ。
二人のタイミングが重要ですが、カン・ホヒョンは、しっかり頭を持ち上げて、左足を男性の背中にからめて、ひざの上でバランスをとって、二人一緒にぱっと手を離して静止。
沸き起こる拍手の中、男性に身を起こされて、レヴェランス。ホッとした微笑みが美しかった。
続く一人で踊るヴァリエーションでは、カン・ホヒョンは、要所要所を危なげなく決めて美しい踊りでした。 この部分は、トゥで立った踊りが大部分ですが、とりわけポアント立ちのアラベスクとエカルテ・ドゥヴァンのバランスは美しかった。 爪先から手の指先まで神経が行き届いていて、惚れ惚れするほど。 クラシックバレエの基本を徹底的に習得できている証拠。日々苦しい稽古に励んできた賜物でしょう。 フィニッシュのシェネでは途中から拍手がおき、ミスなく終えて深々とお辞儀する姿が可愛らしかった。 グラン・パ・ド・ドゥ最後の二人のコーダでは、カン・ホヒョンはとても軽快で跳んでいるよう。
フィニッシュのピルエットをピタリと止めたときは、さすがにホッとしたのでしょう、
安堵の表情を見せました。
|
カン・ホヒョンは体が柔らかいようで無理なく脚が上がる。クラシックチュチュとトゥシューズがよく似合い、彼女の為に作られたように思えるくらい。
爽やかな首筋、しなやかな腕、まろやかな曲線を描く甲、優雅に揺れる短いチュチュからすっきり伸びた美しい脚、時折コトンと軽やかに響くトゥシューズの音が心地よい。
ハイレグカットのツンが一層脚を長く見せ、ほのかな色気が漂う。まさにクラシックバレエの人形です。
アダージョでは男性に頼っているという感じもしたけれど、難しい箇所でも終始柔和な表情を失わず笑顔を絶やさなかったのは立派。
ただトゥの片足立ちのアラベスク・パンシェは危なっかしく、バランスをとるのに精一杯という感じ。
懸命に頑張る姿が却って健気に見えて応援したくなったけれど、グッと堪えて安定したバランスを保てるよう、一層稽古に励んで欲しい。これからが楽しみなバレリーナです。
|
20140607 잠미녀 최원준 강호현 발레페스티벌 대학갈라 파키타 그랑파르되 한예종 안재용 정재은. オーロラ:강호현(カン・ホヒョン Hyo-hyung Kang) 王子:최원준(チェ・ウォンジュン) → |
|