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自衛隊機墜落による大停電の教訓

'99年11月22日午後1時40分頃、埼玉県狭山市で自衛隊機が墜落、送電線を切断し、大規模な停電を引き起こしました。
パイロットは事故機を住宅地を避けて河川敷に誘導した為、幸いにも民家への被害はありませんでした。でもこの為パイロットは脱出が遅れて死亡したとのことで、お気の毒なことです。
 
私は仕事柄、情報システムの災害対策に関与することが多いのですが、この事故から、2つの大きな教訓を得たように思います。
 
一つは、やはり停電に対する備えが必要なこと、もう一つは、空から降ってくる災害への対応についてです。
 
東京電力の電力は、高圧線の万一の切断に備えて、二本の送電線で供給して、相互にバックアップしています。
本来、送電線の鉄塔も別々に建て、各々に送電線を張るようにしているのですが、鉄塔の土地の確保が困難なところでは、一つの鉄塔の左右に送電線を張って、それぞれをバックアップにしているとのことです。今回はまさにこの弱点を突かれ、両方の送電線を自衛隊機が切断したため、バックアップ機能が働かず、大停電になってしまったわけです。
やはり停電は起きうるのです。改めて、コンピュータ・センターの停電対策の必要性を痛感しました。
 
もう一つ、空から降ってくる災害については、大部分のコンピュータ・センターは無防備です。もともと、通産省や金融システムセンター(FISC)の安全対策基準にも、周辺からの発砲に対する防災の基準はありますが、空からの災害については基準がありません。
今回のような場合、もしコンピュータ・センターに墜落したら大きな被害になるに違いありません。
コンピュータ・センターの遠隔地バックアップの必要性を強く感じた次第です。


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