注)渡邊順子さんの踊りの感想です。渡邊順子さんのお許しを得て掲載させて頂きました。
素晴らしい「瀕死の白鳥」を見ました。よこすか芸術劇場で開かれた骨髄バンク登録推進活動「命のつどい」での渡邊順子の踊りです。
渡邊順子が、「瀕死の白鳥」でよこすか芸術劇場のステージに立つことが決まったとき、彼女の意気込みは、大変なものでした。
渡邊順子は、師である谷桃子、故メッセレル女史を敬愛していますが、彼女は次のように語っています。
「1991年5月にメッセレル先生を訪ね、イタリアのミラノに一週間ほど滞在し、ミラノ・スカラ座バレエ団でメッセレル先生のレッスンを受けられた時、
『JUNKOは本当によ〜く谷に似ている』とおっしゃった一言がこの頃よ〜く思い出されます。」
「谷桃子先生は『中途半端』が嫌いな方。私も『瀕死の白鳥』に関しては中途半端な踊りを踊りたくないと思うのです。
ですから今年の11月21日に踊る『瀕死』で10回目、『瀕死』を徹底的に踊り抜きたいと思っています。
踊れば踊るほど『瀕死』には、今度こそもっと上手に踊りたいと思う気持ちが生まれるのです。その気持ちがある限り私は『瀕死』を踊り続けたい。
メッセレル先生が『私はJUNKOの瀕死が大好きです』そうおっしゃってくださった言葉を大切な心の宝箱にしまい、『瀕死』の練習に取り組みます。」
そして、11月に入り、彼女は練習に、本格的に取り組みました。「1991年・2000年・01年・02年・04年に踊った『瀕死』のビデオを見ながら振付の解釈をもう一度考え直してみました。
後ろ向きでパドブレを踏みだんだんとアームス(手)の表現が大きくなり客席側に振り向きポーズをとるのですが、そのあたりから自分なりの解釈をもう一度考え直し事にしました。
死んでゆく白鳥を表現するにですから、もっとアームス(手)で白鳥のはかなさを表現したい。
一つ一つのポーズをもっと美しいラインにするのは、どう変えればいいのか。細かくビデオを見ながら勉強しました。」
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一週間ほど前、渡邊順子と、「バレエは、舞台上は華やかに見えるけれど、 レッスンも過酷。
でも、その辛さがあるからこそ、表面だけではい奥深い美しさがある」というあるダンサーの言葉に対して、「『表面的でない奥深い美しさ』う〜ん、いい言葉ですね。」と言っていましたが、
自らこの「奥深い美しさ」を追求し、懸命に練習し、見事に獲得してしまったのだから凄い。尊敬してしまいます。
「瀕死の白鳥」は、今回で10回目だそうですが、この作品は躍り込めば躍り込むほど、味が出てくると言われています。来年、再来年・・・、渡邊順子がどんな「瀕死」を踊ってくれるか楽しみです。
会場の出口で、「骨髄バンク」の募金を受け付けていました。渡邊順子の素晴らしい踊りにつられて??、募金を奮発して、気持ちよく会場を後にしました。
感想をホームページに載せるにあたり、この原稿を渡邊順子さんに送り了解を求めた際、以下のコメントを頂きました。掲載させて頂きます。
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