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「ジゼル」第1幕から「ペザント・パドドゥ」    (2005.1.15)

1970年録画の一巻の古いビデオカセットがあります。牧阿佐美バレエ団のダンサーによるパドドゥ集。その中の一曲が、川口ゆり子、佐藤勇次によるジゼルのペザント・パドドゥです。この曲は、「ジゼル」第一幕で、農民の男女によって踊られる小曲ですが、アダンの原曲にはなく、ブルグミュラーという人が、後から付け加えたものです。
スタジオ録画ですから、カメラもダンサーの動きを良く追っていて、アップも多く、ダンサーの表情もよくわかります。川口さんは、カメラを意識してか、時折険しい表情を見せますが、佐藤さんのリードに支えられて、とても丁寧で慎ましやかに、美しく踊っています。当時、20代に入ったばかりで、とても可愛らしく、懸命に踊る姿を見ていると、つい「頑張って」と声をかけたくなりますv
その後、川口さんが、あるテレビ番組で「プリマは、コールドバレエの人たちに、一緒に踊りたくないと言われないように、精神的な修行も必要です。」と語っておられましたが、この映像でも。慎ましやかな彼女の性格が自然に現れているようで、とても爽やかです。私は、この映像が大好きで、繰り返し繰り返し、楽しんでいます。 

なおこのビデオカセットでは、大原永子さんが眠りの森の美女からグラン・パドドゥ、森下洋子さんが白鳥の湖から黒鳥のパドドゥを踊っています。3人ともまだ20代。初々しい彼女たちの踊りを楽しめます。最近、斎藤友佳里さんや上野水香さんのような日本人バレリーナが出演した舞台がDVDで発売されるようになりましたが、まだまだ、日本のダンサーやバレエ団によるビデオやDVDでの発売は少ないと思います。ぜひ日本の優れたバレリーナやバレエ団の踊りを収録した映像がもっともっと発売されることを期待します。

  川口ゆり子(村の娘)、佐藤勇次(村の青年)
  管弦楽:東京交響楽団、指揮:福田一雄 、1970年

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