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京急ウィング号    (2007.4.15)

私の自宅は横須賀市、勤務地は大手町です。通勤には京浜急行電鉄とJR山手線を使っていますが、会社からの帰り、品川から金沢文庫間は京急ウィング号を利用しています。 ウィング号は、京急が夕方の通勤時間帯に品川-久里浜間で運転している快速列車です。この列車に乗るには乗車券や定期券のほかに200円の着席劵が必要です。この着席劵は携帯電話からインターネットで買うことができるので、私は東京駅から山手線に乗ったところで、次に品川を発車するウィング号の着席劵を携帯で買うことにしています。品川駅では購入した着席券を携帯のモニタに表示し、ウィング号の入り口て駅員に見せて乗車します。料金はクレジットカードで引き落としで、着席劵を買うために長い列に並ばなくてすみます。
私にとってこの200円は、とても価値があります。ウィング号に乗っている約40分間、一人落ち着いて、自分の時間を過ごせるからです。ウィング号は川崎や横浜に停車せず、品川から上大岡までノンストップなので、停車駅での乗降客を気にせず、静かに一日を振り返ったり、読書をしたり出来るのです。ちなみに、JR湘南ライナーの500円のライナー券に比べると、かなり安い出血サービスだと思います。
ウィング号に使用されている車両は2100系。京急が1998年に京浜急行電鉄の創立100周年を記念し、21世紀へ向かう車両として、快速特急用に作ったもので、2100は21世紀を意味しています。2ドアの全席転換クロスシートで、通路が狭いため、ラッシュ時には乗降しにくいのが難点ですが、普通乗車券でクロスシートの豪華な列車に乗れる楽しみを味わえるのが魅力です。この2100系、発車時に床下から聞こえる音が特徴的なのです。独シーメンス社製のインバーターが、「♪ドレミファソラシド」と奏でます。インバータ装置から発する磁励音は技術的に消すことができないので、いっそ音階に聞こえるようにしたということです。一部には、トレビジョン号といった液晶テレビ付きの列車もあります。このように結構手が込んでいるのですが、シーメンスなど、海外の部品を多用してコストダウンをはかったということです。
京急はカーブが多いのでカーブの前後での減速と加速の高性能を要求されますが、8両編成中4台を高出力の電動機を用いた電動車にして、これに応えています。川崎・横浜間では、時速120キロの高速運転を実現し、並行して走るJRとのスピードを競っています。JRと京浜間の並行路線という宿命のライバルであるJRとの差別化を狙い、サービスの充実につとめる京浜急行電鉄の努力に拍手を贈りたいと思います。

京急1000系と2100系 (金沢文庫-金沢八景間 2007.4.15)

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