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映画「英国王のスピーチ」を観てきました。この映画は、現イギリス女王エリザベス2世の父ジョージ6世の伝記を映画化した歴史ドラマ。吃音障害を抱えた内気なジョージ6世が、言語療法士の助けを借りて障害を克服し、第2次世界大戦開戦にあたって国民を勇気づける見事なスピーチを披露して人心を得るというものですが、実話に基づいて重みがあって、とても面白い映画でした。
吃音のハンデキャップを抱え自分の希望とは反対に王位に就かざるを得ないジョージ6世の苦しみ、誠実でひたむきで不器用なな中年男の姿を熱演していたコリン・ファースの名演に圧倒されます。彼の堂々とした風格ある風貌が、この役にピッタリで、アカデミー主演男優賞受賞も頷けます。友人のいない孤独なジョージ6世の吃音を矯正し自信をもたせることに成功する音声学者役のジェフリー・ラッシュの演技も素晴らしかった。
この作品は、オーストラリア出身の言語聴覚学者のライオネル・ローグの療法についての実話に基づいて、30年以上前にデビッド・サイドラーによって映画および劇場公演の企画がされたそうですが、ジョージ6世の王妃が、自分が生きている間は公にしてほしくないと許可を与えなかったため、当時は見送られたそうです。30年後になって、これを許可した英国王室の寛大さは凄いと思うし、見事に映画化したスタッフやキャストに敬意を表したいと思います。
映画「英国王のスピーチ」(The King's Speech)
キャスト:コリン・ファース、ジェフリー・ラッシュ、ヘレナ・ボナム・カーターほか
監督:トム・フーパー、脚本:デビッド・サイドラー、音楽:アレクサンドル・デスプラ
2010年、イギリス映画
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