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古楽器によるモーツァルト交響曲全集 (2001.8.4)
CD19枚から成るモーツァルトの交響曲全集があります。
クリストファ・ホグウッド指揮アカデミー・オブ・エッシェント・ミュージックによるものです。
このオーケストラの演奏が、他と大きく違うのは、使用している楽器が古楽器ということです。
つまり、モーツァルトが作曲した頃と同じ楽器で演奏されているのです。
ディジタル録音(一部アナログ録音も含まれている)は、この古楽器の音色をばっちりととらえています。
古楽器は現代の楽器と比べると響きがよくありません。つまり、余韻が少ないのです。従って、チョッと聴いただけだと、何となく物足りなく感じます。
”ジャ〜ン”が”ジャン”になるからです。これは演奏形態にも影響を及ぼし、音を引っ張れないので、演奏のテンポは速くなります。
でも、モーツァルトの音楽には、これがよくマッチするのです。モーツァルトの音楽は宮廷のサロンで演奏されるような、小規模で可愛らしい曲が多いのですが、この可愛らしさが、古楽器の演奏によって際立ってくるのです。
私は3種類のモーツァルトの交響曲全集を持っています。
第一は、カールベーム指揮ベルリンフィルのアナログLPレコード、第二は、ネヴィル・マリナー指揮アカデミー・オブ・セントマーチンインザフィールズのCD、第三がこのエッシェントのCDです。
この3種類の演奏を聴くと、音色やテンポに驚くほど違いがあります。
ベームのゆったりとした暖かみにある音質、マリナーのまさにディジタル録音向けというようなきびきびとしたクリアーな音質、そして、ホグウッドの可愛らしさを感じる小気味良い演奏です。
それぞれの演奏は捨てがたい魅力があり、私は気分によって、聞き分けています。
仕事から帰ってゆっくりくつろいでいるときはベーム盤、気分が良かったり、嬉しいことがあったときにはアカデミー盤、仕事の合間のコーヒーブレイクには、ホグウッド盤というところでしょうか。