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ジゼル:コジョカル、ルグリ、東京バレエ   (2007.8.6)

コジョカル、ルグリの「ジゼル」がNHK BS Hivisonで観ました。これは、2006年8月の世界バレエフェスティバルを収録したもので、以前、NHK教育TVの「芸術劇場」で放送されたのですが、受信状態が悪かったのですが、今回はBSの美しい映像を堪能しました。
 
ロイヤル・バレエのアリーナ・コジョカルとパリオペラ座のマ二ュエル・ルグリのペアは、それぞれの伝統に従って、規範を示した名演といえると思います。
コジョカルは、ジゼルを演じているのではなく、生まれながらのジゼルといった感じなのです。1幕は、素朴で純真な村娘そのもの。これほど可憐なジゼルがあっただろうかと、ただただ呆然と引き込まれるばかりでした。 コジョカルの踊りは、芯はシッカリしていて正確なステップで、舞い上がるとふんわりと高く、そこだけ重力がないようで…。本当に夢心地にさせてくれる踊りなのです。アルブルヒトを心から愛し、彼にすがって生きているのが感じられる演技で、なんて可愛らしい娘なんだろうと思え、内面的な美しさをしみじみ感じたジゼルでした。
第2幕では、コジョカルは、体重が非常に軽そうで、ルグリが軽々とリフトしていて正に空気のようでした。 小柄なのでルグリとの背の高さもよく合っていました。
ルグリはコジョカルとは年齢差は感じたものの、若いパートナーを見い出した喜びにあふれたような見事な演技で、ノーブルなアルブレヒトを好演していました。40代になっても、若々しく、バレエへの情熱を持ち続け、今なお世界のトップとして走り続けている。その努力は大変なことでしょう。
ただ、普通は、2幕が盛り上がるのですが、今回はどちらかというと1幕の感動の方が大きかったように思えました。コジョカルは、ルグリの素晴らしいサポートに支えられ、この世のものとは思われぬ妙技には違いないのですが、なぜか感動が薄く感じました。若いコジョカルのことですから、これからもっと成長して、さらに素晴らしいジゼルを期待できそうです。

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