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THE ハプスブルク: 国立新美術館        (2009.10.20)

先日(2009/10/15)、乃木坂にある国立新美術館の「THEハプスブルク」を観に行ってきました。美術館の外観は、前面を覆うガラスカーテンウォールが、波のようにうねる美しい曲線を描いています。東京大学生産技術研究所跡地に建設された美術館で、2007年に開館。設計は、故黒川紀章。開館した当時、話題になりましたが、行くのは、今回が初めてです。平日でしたが、結構、お客さんが入っていました。土日だとかなり混みそう。平日に行って良かった。
 
「THEハプスブルク」は、オーストリアのウィーン美術史美術館と、ハンガリーのブダペスト国立西洋美術館の所蔵品からハプスブルク家ゆかりの名品を選りすぐり、絵画や工芸品を展示しています。イタリア絵画、オランダ・フランドル絵画、ドイツ絵画、スペイン絵画の傑作から、工芸品や彫刻、武具まで16世紀から18世紀にかけての西洋美術の系譜をたどることができるというもの。ハプスブルク家は13世紀から20世紀初頭までヨーロッパに君臨した名門の王家で、歴代の王たちは優れた審美眼と熱意をもって芸術保護を進め、膨大で質の高いコレクションを行いました。会場にはハプスブルク家ゆかりの画家たちのほか、クラナッハ、ラファエッロ、エル・グレコ、ゴヤなどの作品が展示されていました。
 
また、明治天皇からオーストリア・ハンガリー二重帝国の皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に贈られた画帖と蒔絵棚が展示されており、 国交樹立140周年を記念して初めて里帰りすることになったとのことです。
 
オーストリアへは2度ほど旅行して、エリザベートをはじめ、ハプスブルク家の話は、ツアーの中などでも、よく耳にしたので、 とても興味深く見てきました。2時間近くかかって見てきましたが、よくこれだけ持ってこれたものと感心。 パンフレットの謳い文句に偽りなしでした。
やはり美術館は時間を忘れられて、好きです。 それぞれの作品が、どれも圧倒的な美しさで、 興味深い光と影や、魅惑的な目線などドラマチックな描き方に感動しました。 また、絵画と並んでハプスブルク家が誇る工芸と武具のコレクションなどもあり 本当に贅沢な気分を味わうことが出来て、おもいきり「THEハプスブルク」の世界を堪能してきました。

音声ガイドの高嶋政宏さんのナレーションは、とても丁寧で、よく理解できました。 ハプスブルク家の断絶の原因が「近親婚のためだった」との説明には、なるほどと納得。 血統を守るために、近親婚になりがちな王族の宿命なのでしょうか。
    主な展示作品
     
    ○ハプスブルク家の肖像画
    ・「神聖ローマ帝国ルドルフ2世」ハンス・フォン・アーヘン 
    ・「オーストリア皇妃エリザベート」フランツ・クサファー・ヴィンターハルター
    ・「11歳の女帝マリアテレジア」アンドイレアス・メラー
    ○イタリア絵画
    ・「聖母子と聖カタリナ、聖トマス」 ロレンツォ・ロット
    ・「イサベッラ・デステ」ティツィアーノ・ヴェチェッオ
    ・「聖母子とパウロ」ティツィアーノ・ヴェチェッオ
    ・「ホロフェルネスの首を持つユディット」ヴェネローゼ
    ・「若い男の肖像」 ラファエロ・サンティ
    ○ドイツ絵画
    ・「若いヴェネツィア女性の肖像」アルブレヒト・デューラー
    ・「青年の肖像」アルブレヒト・デューラー
    ・「若いヴェネツィア女性の肖像」アルブレヒト・デューラー
    ・「ヨハンネス・クレーベルガーの肖像」アルブレヒト・デューラー
    ・「洗礼者聖ヨハネの首を持つサロメ」ルーカス・クラナッハ(父)
    ・「聖家族と聖アガピトゥス」アルブレヒト・アルトドルファー 
    ○特別出品
     1869年日本とオーストリア・ハンガリー二重帝国間で修好通商条約締結の記念に、
     明治天皇が皇帝フランツ・ヨーゼフ1世に友好の印として贈った画が、140年ぶりに
     里帰り、初公開されていました。
    ○工芸と武具
    ・「シャーベット用センタービース」、「ヒキガエル」、・「ネプチューン像のある巻貝鉢」
    ○スペイン絵画
    ・「大公レオポルド・ヴィルヘルム
    ・「受胎告知」エル・グレコ
    ・「皇太子フェリペ・プロスペロ」ディエゴ・ベラスケス
    ・「白衣の王女マルガリータ・テレサ」ディエゴ・ベラスケス
    ・「悪魔を奈落に突き落とす大天使ミカエル」バルトロメ・エステバン・ムリーリョ
    ○フランドル・オランダ絵画
    ・「ヤン・ファン・モントフォルトの肖像」アンソニー・ヴァン・ダイク
    ・「悔悛のマグダラのマリアと姉マルタ」ペーテル・パウル・ルーベンス
    ・「ヘルマフロディトスとニンフのサルマキス」バルトロメウス・スプランゲル
    ・「森の風景」ヤン・ブリューゲル(父)
    ・「読書する画家の息子ティトゥス・ファン・レイン」レンブラント・ハルメスゾーン
    ・「渡し舟のある川の風景」サロモン・ファン・ライスダール
    ・「アムステルダムの運河の眺め」ヤーコプ・イサークゾーン・ファン・ライスダール








○ THE ハプスブルク:2009年9月25日(金)〜12月14日(月)、国立新美術館(東京・六本木)
(注)文中の項目の説明には、フリーの百科事典「Wikipedia」へリンクを貼らして 頂いているものがあります。Wikipedia の記事は、販売されてる百科事典と違って結構変動しますし、内容に信頼がおけないという意見も聞かれます。 各自の判断でご利用下さい。

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