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白鳥の湖:クナコワ、ルジマトフ、レニングラード国立バレエ   (2005.4.3)

ルジマートフがレニングラード国立(マ−ルイ劇場)バレエに客演した時の「白鳥の湖」の映像ということですが、幕と三幕でルジマトフの髪の長さが違っていたりしていることからも、一つの劇場公演の記録ではなく、公演のうちのいくつかを撮影して編集したもののようです。ルジマートフ目当てでしたが、リューボフ・クナコワもなかなか素敵でした。
第一幕、マールイ版「白鳥の湖」には、道化は登場しません。家庭教師です。家庭教師に伴われて、ジマートフのジークフリートの登場。村人たちに微笑み、乾杯の杯を上げます。独特の憂いを含んだ感じの哀しさや孤独感漂う王子様です。
第一幕第二場、クナコワは長身でスラッと美しい容姿。トゥで立つとルジマートフを越えてしまうくらい。その為かルジマートフがサポートに苦労しているようなところもありましたが、クナコワの踊りは、大らかな美しく、王子を優しく包み込むようで、気高さを感じさせながらも、ひたむきで、美しいオデットの心をも感じることができました。
第二幕、オディールでは、クナコワは、ヴァリエーションでステップが小気味よく決まって軽快でしたし、アダージョも優雅でおおらかな美しい踊りです。目線が優して微笑みを絶やさなかったのは悪魔オディールのようではない感じもしましたが、私はこの感じは好きです。グランフェッテは、それまでの笑みを忘れて、苦しそうでしたが、必死に至難な技に挑戦する姿に胸が熱くなりました。軸足がずれてヒヤッとしたところがありましたが、32回を無事回りきって、大きな拍手、笑顔が戻りました。
マールイ版が他と著しく異なるのが第三幕、オディールに愛を誓ってしまった王子は、二度とオデットと幸せになることはできない。オデットと王子はお互いの変わらぬ愛を確かめあって、二人湖に身を投げてしまいます。
このバレエ団は、ワガノワ・バレエ学校出身者が多いと言うことですが、コール・ド・バレエが、とても上品で美しく、ボリショイとは違った、独特のしっとりとして優雅な美しい舞台を楽しめました。

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