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一世を風靡したレーザーディスクの先進性      (2002.6.1)

1981年に「絵の出るレコード」:レーザーディスク(以後LD)プレーヤーを発売して以来、ただ一社、販売を続けていたパイオニアが、来年生産を終了するそうです。
LDは当時、日本ビクター他多くの国内企業が、VHD方式(針でディスクの溝の静電気を読みとる接触型) を採用しようとしていた中で、唯一非接触光学的読みとり型のLD を発売したメーカーです。
 
当時、私は、オペラやバレエのソフトを集めていましたが、VHSビデオカセットの画質に不満だったので、VHDやLDの購入を検討していました。結果、ディスク面にピックアップが接触しないLDの方が耐久性が良いだろうという判断で、LDプレーヤーを購入しました。1986年のことです。当時、LDプレーヤは大分やすくなっていましたが、それでも、15万円位払った記憶があります。その後、90年代はLDの全盛時代。4〜5万円の機種も出ました。DVDが世に出ると、DVD(ディジタル他用途ディスク)とLDの併用型も発売されました。
 
LDはMPEG2などの映像圧縮技術が生み出される前の製品で、直径30センチのディスク30分程度しか記録できません。丁度、アナログのLPレコードと同じくらいです。MPEG2の映像圧縮を使用し、CDと同じ大きさのDVDが成長する中、LDが姿を消そうとしていますが、LDを再生してみると、改めて、映像の美しさ、音声の良さに驚きます。好きなバレリーナの映像など、何度も繰り返し見ていると、VHSビデオでは、テープが伸びたり、磁性体がはがれてきたりして、映像が劣化してしまいます。接触型記憶媒体の宿命です。また見ないで数年置いておくと、テープ通しが貼り付いてしまうこともあります。
その点、非接触のLDは、原理的に映像の劣化がありません。事実、肉眼で見える範囲では、当時買ったLDソフトに、まったく画質の劣化は感じられません。
現在の私のLDプレーヤーは、数年前に買い換えた2台目です。購入価格は4万円弱でした。1台目は片面しか再生が出来ませんでしたが、これは一面が終わると自動的に裏面を再生します。約1時間は手をかけずに再生できて便利です。
 
最近私は、DVDライタを購入し、VHSビデオカセットのコレクションをDVDに移し替えています。VHSカセットの映像が劣化しないうちに、非接触型のDVDに移して、いつまでも美しい映像を保存したいと思っているからです。LDのソフトは映像の劣化はないので、このようなことをする必要ありません。
 
LDの光学技術が、DVDという非接触で長時間でしかもコンパクトな魅力の記憶媒体を誕生させる原動力になったのだと思います。改めてLDの先進性に驚く限りです。
これからも、我が家のLDプレーヤーを活用していきたいと思います。そのためにも、パイオニアが製造を終了しても、故障時の修理など、LDユーザへのサービスを続けて下さることを期待します。


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