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リトルダンサー       (2001.9.2)

イギリス映画リトルダンサー(原題名:ビリーエリオット)が劇場で公開されたと思っていたら、もうDVDが発売になりました。 最近は映画のDVD化がとても早く、劇場公開の数ヶ月後には発売されるものもあります。
家庭で見る映画は、劇場と比べると迫力で及びませんが、このリトルダンサーのような、スペクタクル一辺倒でない物語には、 好きな時間に気楽に見れるという点で良いと思います。しかも、DVDはチャープターによる一発検索が出来ますから、気に入ったシーンをもう一度、というときには便利です。
 
改めて紹介するまでもありませんが、さわりだけ。
男がバレエなんてするなんてみっともない・・・、炭坑のストライキで失業中の父親は猛反対。 でも、ビリーは、ボクシングやフットボールより、バレエにすっかり心を奪われてしまいます。
彼の才能を見抜き、母親のような愛情でバレエを教える先生、理解し合える友達に支えられて、ビリーは夢に向かって大きく羽ばたいていく。
その情熱と才能に気づいた父親は、息子の夢をかなえるために決心をします。スト破りと非難されながら・・・。そして、ビリーは、見事ロイヤルバレエのオーディションに合格、晴れの舞台へ・・・という心温まる物語です。
心に残るシーンがあまりに多すぎて、なにをどう表現していいのか分からないほどです。登場人物もみな個性的で、どの人にも共感できる部分があって、その描かれ方がとても良かった。ハリウッドのような派手な配役ではないけれど、逆にそれがこの映画をより身近に感じさせてくれているのだと思います。
物語の最後で、成長したビリーが踊る「白鳥の湖」は、アダム・クーパーが踊っているのですが、あまりに短い。この程度なら付けない方がまし。もう少し長く踊って欲しい、残念です。
 
この映画を見て私が驚いたのは、英国においても、まだあるバレエに対する偏見??。
英国といえば、世界に冠たるロイヤル・バレエを擁するバレエ大国。 男性ダンサーでは、スーパースターのルドルフ・ヌレエフが居ました。振り付け師でも、フレデリックアシュトン、ケネス・マクミランなど、超大物が揃っています。
そんな国でも、男がバレエ??には、ためらいがあるようです。
さて、日本に目を向けると・・・・
熊川哲也くんが活躍し、やっと男性のバレエに目が向けられて来たと言うところでしょうか。

この映画は、「バレエなんて女のするもの」と決めつけた人たちをひっくり返すのに十分な説得力を持っています。
私は、楽器などの道具の力を一切借りず、肉体だけで全てを表現するバレエは人類の生み出した最高の芸術と思っています。
バレエは「一瞬の芸術」です。バレエは、努力に対する見返りが尤も少ない芸術とも言われています。 「一瞬の輝き」を求めて、毎日苦しい訓練を繰り返すダンサーたち。
だからこそ、ステージでの「一瞬の輝き」が私たち観客の心を捕らえて離さないのだと思います。
この人類の生み出した最高の芸術を、今後も愛していきたいと思います。

リトルダンサー・オフィシャルサイト


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