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吉田都:「自分を信じる強さを持て」   (2007.5.1)

英国ロイヤルバレエ団プリンシパルの吉田都さんのドキュメンタリーを観ました。NHK総合テレビの「プロフェッショナル・仕事の流儀、バレリーナ・吉田都」です。
 
吉田都さん、ロイヤルバレエのプリンシパルとして君臨し、どんなに実力があっても、不安になるそうです。「今でも何千人もの前の舞台に立つことが、怖くて逃げ出したくなるときがあります。でも誰に頼れるわけでもなく、自分しか頼れない。そんなとき自分を信じるしかないんです。」と都さん。 常に崖っぷちにいるようなプレッシャー。次々に若いダンサーが入ってくる・・・、誰もがライバル。舞台は待ってくれない。 ひたすら練習を重ねる。 華やかな舞台の裏側の過酷な世界です。
着地の1ミリの誤差おも妥協しない姿勢。前日フィットしたトゥシューズも今日は違和感があるといいます。そのために10足ものトゥシューズを用意しているとのこと。
吉田都さんは、もう踊らないときめていた「白鳥の湖」を1月の東京公演で踊ることに決めました。腰に爆弾を抱える、彼女にとっては過酷な演目であるとのこと。この「白鳥の湖」、当初予定していた男性ダンサーがアクシデントで欠場、急遽若いダンサーが代役に選ばれました。吉田都さんは、努めて明るく振る舞い、若いパートナーを気遣います。 でも、都さんは、「バレエの技術は練習で磨けるが、表現力はその人の人生を反映しているので、本人でないと出来ない。」と、技術的なアドバイスをするけれど、微妙な感情表現については一切口を出しません。都さんは、「自分を信じ、パートナーを信じるしかない。彼は、若い人生をこの本番の舞台にぶつけてほしい」と願っていました。本番の舞台。なりやまぬ拍手とたびかさなるカーテンコールで、それまでの都さんの苦労が報われました。
司会者に「プロフェッショナルとは何ですか?」と聞かれて、「言い訳をしないで、闘い続けること」と答えた都さん。「自分を信じる強さを持て」が彼女の信念・・・、ため息が出るほど素敵でした。吉田都さんの踊りを、また観たくなりました。

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