これは、バレリーナ森下洋子さんが書いた本です。
この本は、彼女が文字通り世界に羽ばたくきっかけとなった「バルナ世界バレエ・コンクール」のリハーサルから始まります。
「本番前の舞台稽古はばらつく小雨をついて行われ、私たちペアは午前1時から始まりました。真夏とはいえ、バルナは黒海のそばですから夜は冷えます。雨のせいか、音楽はふるえているようであり、床は少々すべる感じで、舞台稽古とはいっても、出演前の逃げ出したくなるようなこわさはあいかわらずでしたし、『どうかミスをしないように』と、闇の中に光明を追うのも同じでした。」
|
この本で、森下洋子は、次のように結んでいます。
「踊りは一朝にして上手くなるものではありません。毎日毎日の鍛錬によって一歩ずつ階段を登っていくのです。開かれた世界の扉を叩くとき、私は日本のバレリーナである誇りを失わず、日本の皆さんから教えられ守られている感謝を忘れません。」
|
|