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テレビ番組「モーツァルト奇跡の響き」に思う  (2004.7.4)

日本テレビで放送された「人類史上最高の天才 モーツァルト奇跡の響き」。
「モーツァルトの音楽を聴くと安らぎを覚える。これは何故か?」、こんなテーマのこの番組、私は興味深く観ていました。
モーツァルトの曲を聞くだけで、元気になったり、癒されたり…すると言われます。実際、私も、疲れている時、また逆に嬉しい時、いつも無意識に取り出すレコードは、モーツァルトの1枚ですし、このレコードを聴くと、ホッとするのです。
この番組は、そんな、モーツァルトの音楽にまつわる不思議を現代の科学を駆使して解明していきます。
 
最近、モーツァルトの楽曲を使った音楽療法が注目を集めているということです。実際、生まれてからしゃべることができなかった少年が突然、話せるようになったり、学生の知能指数がアップしたことが報告され、聴覚異常や発達障害などの症例改善に役立っているといいます。モーツァルトの曲には「不思議な秘密」が隠されているのでしょう。
この番組では、モーツァルト音楽のミステリーのキーワードは次の3つを挙げています。
  @『1/fゆらぎ』、A『高周波』、B『たんぱく質』

  普通列車に揺られると気持ちよく眠れる。
  トマトにモーツァルトを聞かせると甘くなる。
  乳牛にモーツァルトを聞かせると乳がでる。
 これらは、皆、上記、@ABに関係しているとしています。
 
なお、番組では読売日本交響楽団が「交響曲40番」、「フィガロの結婚序曲」といった代表曲を演奏。最後はモーツァルトが活躍した18世紀に使われた鍵盤楽器クラヴィーアなどの古楽器奏者19人を集めて、「ピアノ協奏曲20番」で、当時の音を再現しました。
 
この番組でも取り上げられていたアルフレッド・トマティス博士。彼はモーツァルトの楽曲を医学に初めて使いました。一部の音域の声のでなくなったマリアカラスの治療もしています。彼は治療にあたっているうちに、聴覚と発声は密接な関係にあること(原理)を発見しました。
  (1)人間の声には聞き取れない音は含まれない。
  (2)聴き取りが改善されると、直ちに発音も改善される。
  (3)聴覚の改善は一定期の訓練により定着する。
この原理はトマティス効果と名付けられ、これに基づいて、聴覚・発声訓練器を考案し、この訓練器を使用して聴覚を改善する音楽療法「トマティスメソッド」を生み出しました。世界で初めて、モーツァルトの持つ癒しの効果を医学的、科学的に解明し、ドクター・モーツァルトの異名があります。
10年ほど前に出版された彼の著書「<モーツァルトを科学する」(窪川英水訳、日本実業出版社)の中に、「心と体の全体から考えて、人体のさまざまな部分が衝突するのを避けるのに最も適した解決法を探求することが、人間にとって必要である。調和を保たせることがあらゆるレベルで望ましい。均一で、安定し、文字通り美意識を感じさせる調整がその前提となる。そうした点にモーツァルトとその音楽効果を認めることができるのである。」と書かれています。
 
私は、モーツァルトの音楽の中に一貫して流れている「調和(ハーモニー)の美しさ」こそが、人の心と体をなごませ、安らぎを与える源と思っているのですが、科学的には、この番組で追求していたように、モーツァルトの楽曲の中に潜んでいる『1/fゆらぎ』、『高周波』が、『たんぱく質』を活性化し、人に安らぎを与え、知能指数をアップさせる・・・・ということに関係しているのかもしれません。
 
   司会・進行 ビートたけし   木村 佳乃 羽鳥 慎一(NTV) 
   ゲスト 大竹まこと MEGUMI 読売日本交響楽団 ほか   


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