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モーツァルト:交響曲第31番「パリ」 (2008.7.06)
フランスで作られたモーツァルトの作品 (3)
なお、演奏会場となったコンセール・スピリチェルは、ルーブル美術館とコンコルド広場のあいだの現在はチェイルリー庭園となっているチェイルリー宮殿にありました。モーツアルトは客席で聴衆の反応を窺っていたそうです。惜しいことに、チェイルリー宮殿は、1871年にパリ・コミューンにより焼失してしまったそうです。
また、大成功に終わった演奏会の日、モーツァルトは嬉しさのあまり演奏会を最後まで聴かずに会場を飛び出し、当時パリで最もにぎわっていた広場、パレ・ロワイヤルに行き、ここで大好物のアイスクリームにひとり舌鼓をうったとのことです。
モーツァルトは久々に自信を取り戻し、この直後に父に宛てて書いたと言われる手紙には、大喝采を受けた喜びがあふれています。
「ちょうど第一楽章の真ん中に受けるに違いないとわかっていた部分がありました。聴衆はみんな夢中になって喝采でした。僕はもう嬉しくて交響曲が終わるとパレ・ロワイヤルに行っておいしいアイスクリームを食べました。」
パレ・ロワイヤルは、ルーブル美術館の北側のすぐ近くにあり、もともと、国王の相談役リシュリュー枢機卿が当時の一流建築家ルメルシエに命じて造らせた自らの宮殿でしたが、
枢機卿の死後はルイ13世に譲られ、王妃が息子の(将来のルイ14世)と移り住んだことからパレ・ロワイヤル(王宮)と称されるようになったそうです。
その後、リシュリュー時代の建物は取り壊されましたが、18世紀後半に庭園を囲む回廊が造られ、住居や店舗として活用されました。
モーツァルト:交響曲第31番ニ長調k297「パリ」
第1楽章 アレグロ・アッサイ ニ長調 4分の4拍子 ソナタ形式
第2楽章 アンダンテ ト長調 8分の6拍子 展開部を欠くソナタ形式
(ル・グロの注文で書き直した第2稿:アンダンテ ト長調4分の3拍子ソナタ形式)
第3楽章 アレグロ ニ長調 2分の2拍子 ソナタ形式
私のレコードコレクション
@カール・ベーム指揮ベルリンフィルハーモニー管弦楽団(LP)
Aフランス・ブリュッヘン指揮18世紀管弦楽団(CD)
Bネヴィル・マリナー指揮アカデミー・オブ・セントマーチン・インザフィールズ(CD)
Cクリストファー・ホグウッド指揮エンシェント室内管弦楽団(CD)