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ピアノ協奏曲第27番変ロ長調K.595

 
モーツァルト最後の協奏曲第27番は、私の大好きな曲の一つです。
この曲を書いた時、モーツァルトは、35才、この11ヶ月後、帰らぬ人となってしまうのです。
 
この曲は3つの楽章からなり、第一楽章アレグロ、第二楽章ラルゲット、第三楽章アレグロの合計で約30分の曲です。
どの楽章もモーツァルトならではの美しい旋律で、死をまじかに控えているとはとても思えません。水晶のように透明で、しかもがっしりとした構成を備えています。
とくに第二楽章の美しさは際立っています。
ピアノが一人静かに主題を奏でると、オーケストラがこれを繰り返していきます。夢の中を漂っているような気分になります。
このレコードには名盤が多いのですが、私のコレクションは、イングリット・ヘブラーのピアノ、ガリエラ指揮ロンドン交響楽団、マリオ・ジョアオ・ピリスのピアノ、ジョルダン指揮ローザンヌ室内管弦楽団およびギレリスのピアノ、ベーム指揮ウィーンフィルハーモニー管弦楽団の演奏です。
ヘブラーの遅めで端正な演奏、ピリスのシャープな演奏と、この二人の演奏は正反対で聞き比べるととても興味があります。私はどちらも好きですが、どちらかというとヘブラーの演奏によりいっそうの愛着があります。穏やかなピアノの響きに心が洗われるような気分になります。

 
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